東京2020後の意識の変化を明らかにする調査PR!ー日本財団がダイバーシティ&インクルージョンに関する意識調査を実施|SDGs連載第1回目
みなさん、こんにちは!3局スポーツの杉本です。
SDGs PR戦略チームによるSDGs 連載企画第1回目をお送りします!
第0回はこちらから。
SDGs連載第0回目“たのしいさわぎ”で世界を変える?サニーサイドアップグループが手掛けたソーシャルグッドな活動をご紹介!
2021年がまもなく終わろうとしています。先日”今年の漢字”が「金」に決定したように、今年いちばんのビッグイベントといえば、やはり東京2020オリンピック・パラリンピックだったのではないでしょうか。アスリートのみなさんの活躍を応援したり、開会式の演出で盛り上がったり、おうちでテレビ観戦を楽しんだ方も多かったはず。
そんな東京五輪を経て、わたしたちの意識はどう変わったのでしょうか。日本財団が今年9月、「ダイバーシティ&インクルージョンに関する意識調査」を実施しました。日本財団は2019年にも同じ調査を行っていたことから、多様性に関して日本社会や個人の意識がどう変わったのか、今回2年前と今年の調査結果を比較し、ニュースリリースとして発表しました。
このようにアンケート調査を行って話題作りにつなげる手法は調査PRと呼ばれ、サニーサイドアップでは、この調査の企画・設計に協力し、広報を担当しました。SDGsへの関心や社会的な取り組みの機運が高まる中、いま日本社会や一人ひとりの意識はどう変化しているのでしょうか。今回は調査結果の一部をご紹介します。
※ダイバーシティ&インクルージョンとは、ダイバーシティ(多様性)を尊重し、異なる価値観や能力をインクルージョンする(抱合する・活かし合う)ことで、イノベーションや新たな価値創造につなげ、一人ひとりが活躍でき、居場所を見つけられる社会をめざす取り組みを指します(以下、D&Iと表記します)。
■D&Iの認知は、東京五輪前の約3割から約4割へ増加
「ダイバーシティ&インクルージョン」について、名称を認知している人は71.9%。2年前の66.5%から5.4ポイント増加しました。さらに、意味や定義を知っている人は、2年前の調査では約3割の29.9%だったのに対し、今回の調査では、約4割の39.4%で9.5ポイントの増加。社会的にD&Iの認知が広がりつつあり、理解がより深まっていることがわかりました。
■社会的マイノリティへの偏見・差別は、東京五輪後は10ポイント減少
社会的マイノリティへの偏見や差別があるかという設問に対しては、「偏見や差別があると思う」と回答した人は85.9%と高いながら、東京五輪前の95.9%と比較すると、10ポイントも減少していました!
ただし、より詳しく見ていくと、「LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニング/クィア)」に対しては10.4ポイント減少、「身体障害のある人」に対しては9.9ポイント減少、「精神障害、発達障害、知的障害のある人」に対しては11.1ポイント減少している一方で、「日本で暮らす外国籍の人」「見た目が日本人に見えない人」「高齢者」に対しては大きな変化がなく、社会的マイノリティに対する偏見・差別の意識は必ずしも減少している、とは言えない現状が明らかに…。これは、パラリンピックで障害者に触れる機会が増えたこと、LGBTQの認知度が高まったことなどにより、このような差が生じている可能性が考えられます。
※本調査における社会的マイノリティは、LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニング/クィア)の人、身体障害のある人、精神障害、発達障害、知的障害のある人、日本で暮らしている外国籍の人、ミックスの人など見た目が日本人に見えない人、高齢者(概ね75歳以上)としています。
■「D&Iへの意識が高まった」10代は約6割に対し、50代では約3割
D&Iへの意識の高まりは、10代・20代でより高い傾向がありました。D&Iへの意識が高まったきっかけは、全体では「パラリンピック」がもっとも多い結果に。パラリンピックを通じて障害者の活躍などに触れることで、意識が変化したからと考えられるでしょう。
ただし、年代別にみてみると、意識が高まったきっかけとして「パラリンピック」および「オリンピック」を挙げた回答は、50代以上で多く、10代は「人種差別問題(ブラックライブズマター)」と「SDGs」を挙げる人がより高い割合を占めていました。
こうした年代ごとの結果の違いは、毎日触れているメディアや学校教育などの影響があるかもしれません。D&Iへの理解や推進には、幅広い世代に届く情報やメッセージの発信が必要になりそうですね。
こうして、実際にアンケート調査を行うことによって、今まで見えていなかった社会情勢を数字として顕在化することもできます。
言語化しにくい”時代の空気感”を調査PRを通じて可視化することで、より大きなムーブメントが生まれることも。テーマは決まっているけれど、どうPRすれば良いのかが分からない…そんな時にはこのようなPR手法の実施を検討してみるのも一つです。
最後に、日本財団は今回の調査結果について、次のように述べています。
「社会全体でD&Iへの周知・理解を進め、社会的マイノリティへの偏見・差別の意識を取り払うためには、年代や地域の異なる人を巻き込んだ、より長期的な取り組みが必要です。具体的には、さまざまなかたちで社会的マイノリティとの接点をより多く作ること、学校教育で多様性や社会的マイノリティに関する教育をより充実させていくことが重要となるでしょう」
日本財団では、社会的マイノリティへの偏見・差別の意識をなくすため、パフォーミングアーツを通じて、障害・性・世代・言語・国籍など、個性豊かな人たちと一緒に楽しむ芸術祭、True Colors Festivalを2019年から開催しています。さまざまなコンテンツがありますので、ぜひチェックしてみてください。
公式HP:https://truecolorsfestival.com/jp/
True Colors Festivalを紹介した記事はこちらから。
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