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表参道で日本発の“素材”に触れて考える「サーキュラーエコノミー」hide k 1896 コンポジット・テキスタイル展 2021 の潜入レポート!

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水谷優里佳(パブリックリレーションズ事業本部 3局スポーツ)

こんにちは!パブリックリレーションズ事業本部 3局スポーツ 2年目の水谷です!

突然ですが、みなさんはどんな”素材”が好きですか?

シャカシャカしたナイロンや柔らかいシルク、肌寒くなった今の時季は暖かいニットもいいですよね。もちろん衣服だけでなく、カバンや家具、食器やリモコンなど、硬いもの柔らかいものを問わず、わたしたちの身の回りは、様々な素材から生まれたモノに溢れています。

ちなみに私はいま、木の椅子に座り、ガラスのコップでお水を飲みながら、コンクリートテーブルの上にあるPCの液晶画面に向かって、プラスチックのキーボードを打っています(笑)。

それらの身の回りにあるモノを使い終えたとき、モノを構成する素材たちの行方について、考えたことはありますでしょうか…?

「パーツを分解できるものは分別して、そのあとはとにかく細かく砕いて、最後はきっと燃やすか埋めるかしているのでは…!?」

想像しても、私はこのくらいのレベルの理解が精一杯でした…。

近年「リサイクル」「サステナビリティ」といった言葉がメディアにも頻繁に登場するようになったり、再生素材からできたエコなファッションアイテムなども販売されるようになって、様々な業界がようやくリサイクルに乗り出した印象を受けます。物を作る企業側も、物を買う消費者側も少しずつリサイクルに対する意識が高まってきていますよね。

画像出典:株式会社トランスHPより

ようやく私たちの生活にリサイクルが馴染んできた…と思っていましたが、リサイクルのさらに上を行く考え方として、世界では“廃棄ゼロ”を目指すサーキュラーエコノミー(循環型経済)という考え方に注目が集まっています。資源循環の効率化を進めることはもちろん、製品開発の設計の段階から廃棄と汚染を生み出さないことを前提として資源や素材を循環させる考え方です。サーキュラーエコノミーが実現されれば、既存の製品の素材が別の製品に循環して生まれ変わることも期待できます。オランダでは「国として、2050年までに完全なサーキュラーエコノミーへの移行を目指す」という目標も掲げているほど、今後の経済活動できっと欠かせなくなるであろう考え方なのです。

今回はそんな”素材”に触れながら、日本発の循環型経済=サーキュラーエコノミーの実現や、わたしたちのサステナブルな未来について考える展覧会、『hide k 1896 コンポジット・テキスタイル展 2021』についてご紹介。展覧会のPRを担当させていただいたサニーサイドアップメンバーの視点から、会場の様子をリポートします。

長野市有数の観光地「善光寺」のすぐそばで1896年に創業した麻問屋「春日商店」をルーツに持つhide kasuga グループでは、“価値の創造と再生”をコンセプトに、環境や資源に配慮した、マテリアルリサイクルを想定した新素材の研究・開発に取り組んできました。

hide kasuga グループが長年の研究の末に開発したのが、カーボンファイバーなどの人工繊維や麻・綿・絹などの天然繊維に、熱可塑性樹脂を複合した柔らかい素材「コンポジット・テキスタイル」です。

この素材の特徴は、人工素材でありながら、自然に戻せること。天然のものと人工のものを組み合わせた素材ですが、熱可塑性樹脂は融点まで加熱すると再び柔らかくなって、繊維と樹脂を完全に分離することができるので、再生が可能になります。また、傷や水に強く軽量で、縫製が可能なので、様々な製品の素材として使うことができるのです。

ギャラリーには、このユニークな素材、「コンポジット・テキスタイル」を使って作られた、小型EV車や家具が展示されています。

家族型ロボットLOVOTも手掛けている根津孝太さんがデザインした「GCH Tension 小型EV車」は、コンポジット・テキスタイルの伸びにくい性質を張力として活かしたテント構造。

大部分はカーボンのコンポジット・テキスタイルで作られていますが、天井部分は暖かな陽の光が入るようガラスのコンポジット・テキスタイルを、シート部分は布目のデザインを生かして麻のコンポジット・テキスタイルが使われています。

バンパー部分は、発泡ポリウレタンがあえてそのまま使用され、人や街に馴染むような柔らかい印象。ひとりが乗れるコンパクトなデザインで、丸いヘッドライトもつぶらな瞳のようでとてもキュート!

展示会に先立ち、メディア向けに実施した内覧会で根津さんは、「社会やまちの変化とともに、静かな街並みを車がゆっくりと走ったり、道端に停まった柔らかい車に子供が座って遊んだりするようなシーンがあってもいいのではないかと考えました。クルマをつくる素材から変えることで、車を人にもまちにも愛される身近な存在にしていきたいです」とお話しされていました。

開放的なのにフィット感と安心感のある新感覚の乗り心地に、メンバーも思わず満面の笑みがこぼれています(笑)。

プロダクトデザイナーの清水慶太さんによるラウンジチェアとオットマン「GCH Tension」は、コンポジット・テキスタイルと木材という、異なる性質の素材を活かしたデザインで、柔らかく包み込まれるような座り心地です。接続部には金具ではなく組みひもを使用していて、日本らしさも表現されています。

さらにギャラリーには、建築家・隈研吾さんが人と自然とまちの調和をテーマに、未来のまちを描いたウォールアート「green zenkoji」も初公開!

我らがオフィスから見える国立競技場の設計でもおなじみの隈さんが描いた貴重なデッサンはとても洗練されていて素敵でした。

さらに、展覧会の会場の「gallery de kasuga」では、「コンポジット・テキスタイル」を使用した財布、カードケース、鞄などの小物や、レクサスやホテルオークラなどとコラボレーションした商品も実際に手に取ることができます。

こんな素敵なアイテムをスマートに使いこなせるようなオトナの女性に私もなりたい!上質なうえに、環境にもやさしいものを普段使いとしてポケットに忍ばせられるような心豊かな身だしなみ、とても憧れます…!

「コンポジット・テキスタイル」「サーキュラーエコノミー」「熱可塑性ジュシ…」難解なカタカナが並び、最初はハイレベルな理解を求められる展覧会かと思ったのですが、環境について考えなくてはいけない義務感や堅苦しさも和らげるような、温かみのあるギャラリーとスタイリッシュなアイテムの数々に、素直に魅了されました。

ちなみに、マテリアルシンクタンク「hide kasuga 1896」では、2020年に三井化学株式会社、信州大学繊維学部、長野県長野市、千葉県市原市と連携し、産学官で取り組むサーキュラー・エコノミー・コンソーシアム「Green Composite Hills by hide k 1896」を立ち上げています。ものづくりの原点ともいえる“素材”に着目し、日本発のサーキュラーエコノミーの実現に向けた、消費者の環境への意識を生活に根付かせられるような今後の取り組みにも注目です。

また、展覧会は12月25日(土)まで表参道の複合商業施設「gallery de kasuga」にて開催されています。

https://www.gallerydekasuga.com/ja/news_events/1863/
※火~金はメールによる事前予約制、土曜日は予約不要。日・月休館。

イルミネーションできらめく表参道に訪れることがあった際は、ぜひ足を運んでみてくださいね!

WRITTEN BY

水谷優里佳(パブリックリレーションズ事業本部 3局スポーツ)

明治大学情報コミュニケーション学部を卒業後、新卒でサニーサイドアップに入社。「”たのしいさわぎ”を通じて考えるきっかけを作る」ことを目標に、eスポーツ、気候変動、難病啓発、サステナビリティなど硬派な案件も担当。学園ドラマを題材に卒論を書いたほど生粋のテレビっ子。学生時代のアナウンス経験から、社内イベント等の司会のお仕事も引き受けるように。好きな生地はベロア素材。

※所属は執筆時と異なる場合があります

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