サイド教授の新PR講座 第3回「ニュースバリュー ~日本人は“平均”が好き?~」
サイド教授の新PR講座、第3回目です。
前回は戦略PRの要となる“ニュースバリュー”に「画」が
重要な役割を果たしていることをお話ししました。
今回は、「画」以外のニュースバリューについて説明します。
最も身近な「画」以外のPR手法を用いたニュースは「データもの」です。
「データもの」とはアンケート結果のニュースのこと。例えば旅行会社が発表する「ぜひ行きたい海外のリゾート トップ10」や、食品会社の「おせちに欠かせない人気メニュー」、はたまた金融関連会社の「主婦のへそくり平均額」など、企業が社業に関係するデータを一般からのアンケートに基づいて集計し、メディアに発表するというPR手法です。
このデータもの(データパブリシティと言いますが)は、日本特有のものです。
なぜなら、日本人は「ベスト10」などの順位にこだわったり、他人と比較したりと「平均」にこだわる特質があるからです。この手法は、日本人の特質を活用してニュースバリューを創出するものと言えます。
このようなニュースは主にPRの専門家が創っており、アンケートの設問からメディアに露出するタイミングまで細かく計算しています。特にタイミングについては「○○の日」と称する記念日の前に、つまりメディア側が報道する意味がある日にちにこだわって発表しています。
また、テレビが直接取り上げなくとも、朝夕情報番組内の新聞記事を取り上げるコーナーで紹介される可能性が高いニュースのひとつです。なぜなら、そのような番組で取り上げると出演しているコメンテーターに意見を聞きやすいという側面があるからです。
第1回でもふれましたが、ネットメディアのニュースは新聞記事の転載が大半であることから、ネット上、そしてSNS上でも、これらのニュースが拡散されることは容易に予測できます。このデータパブリシティのポイントは、いかに面白く、意外な結果を導き出すかということです。
順位や数字に興味を持たせるためには、「意外性」が大きな要素となるのです。