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予定数2,000缶が5時間で受付終了!ACC賞を受賞した、「約束のよなよなエール」プロジェクトの裏側を語る|クロストーク

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伊藤 美咲(SUNNY DAYS オフィシャルライター)

人気クラフトビール「よなよなエール」を販売する株式会社ヤッホーブルーイングが、2022年8月18日の「約束の日」にあわせて実施した企画「約束のよなよなエール」。

約束のよなよなエールの企画で着目したのは「未来の約束」。大切な人との未来の約束がかなったときに乾杯するビールとして、こどもが20歳になったときに「一緒にビールを飲もうね」と話したり、家族やパートナーと10年後・20年後に楽しい約束があるのは、ワクワクしますよね。そんな飲み約束を「本物」にするために、「10年後・20年後に発売するよなよなエール」を予約できるようにしました。

予約方法は、ビール缶型のタイムカプセルに、親子で約束の手紙を入れて、10年もしくは20年保存すること。こどもが大きくなったら、この缶が予約券となり、一緒に乾杯することができます。お酒は20歳になってからという制約を、未来を楽しみにするきっかけに変えた施策です。  

その時の雰囲気をそのままに、あえてお名前をニックネームのままでお届けします。本企画はリリースされると瞬く間に話題となり、「未来の約束」を書いた手紙を大切に保管することができる「よなよなタイムカプセル缶」の予約は数時間で終了する事態に。

また「よなよなタイムカプセル缶」をその場で作成できる場所として、「約束のよなよなエール タイムカプセル醸造所」を「東京ソラマチ ソラマチ広場」と「ららぽーと豊洲」にて期間限定でオープン。

そんな大成功を収めた本企画が、日本最大級のクリエイティブアワード「63rd ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」のブランデッド・コミュニケーション部門において、ACCブロンズ賞を受賞🎉

詳しくはこちらから:https://www.ssu.co.jp/news/2023/12/13/5567/

サニーサイドアップは、本企画のPRサポートを行いました。

今回は、受賞に至るまでのプロジェクトの裏側を探るべく、ヤッホーブルーイングよなよな未来課(ブランド戦略ユニット)のたいしょ(塚本 大司)さんと、サニーサイドアップのりんだ(林田 隆太郎)のクロストークを実施。(お互いをニックネームで呼び合っています!)

「約束のよなよなエール」実施の背景やPRの裏側について語ってもらいました。

■「約束には力がある」がキーワードに

――「約束のよなよなエール」を実施した背景を教えてください。

たいしょ:これまでよなよなエールは、30〜40代をメインのお客様として捉えてきました。この世代は子どももまだ小さくて、プライベートでも仕事でも考えることが多い。そして企画が立ち上がったのがコロナやウクライナ侵攻が始まった時期で、世界的にも暗いニュースばかりだったんです。そこで、我々が人々に小さな希望を与えられることはないかと考え始めました。

「約束のよなよなエール」の大元の案は、プランナーである佐藤ねじさんが提案してくださりました。ねじさんが「週末に映画を見にいく約束をするだけで人生の楽しみが生まれる。それが大切な人との約束だったらものすごく楽しみになるし、日々の活力にもなる。10年後、20年後の長いスパンの約束ができたら、未来がもっと楽しみになるのではないか」と言っていたんです。とても素敵なアイデアだと思い、この企画のPRを依頼できるパートナー探しとして、サニーサイドアップさんにお声がけをさせてもらいました。

りんだ:ありがとうございます!

企画案を元にPRの提案書を作成する際、本企画のキーワードとなる「約束」について社内で何度も話し合いました。ヤッホーブルーイングさんへの提案の2日前に作成していたプランニングを一旦リセットして、改めて考え直したりもしたんですよ。ずっと練り続けて「約束には力がある」と言葉に表したときに、すごくしっくりきたんです。

正式な依頼をいただく際にも「約束の力」というワードと、マスメディアなどの露出を取り入れた情報設計のロードマップが決め手となったと言っていただいたと思います。あと、「サニーのみなさんと一緒に仕事したら楽しそう」とも(笑)。

たいしょ:ははは(笑)。我々は積極的に意見を出す文化がある会社なので、サニーサイドアップさんと一緒に企画をブラッシュアップしていくことで、良い企画になりそうだなと思ったんですよね。

りんだ:キックオフの時点からフラットな話し合いができていましたよね。すでにメンバー全員の熱量がかなり上がっていましたし、「こういう視点もあるよね」「こんなアイデアはどう?」と多角的な意見が飛び交っていたので、「このプロジェクトが上手くいかないはずがない」と確信しました。

■ビールのPRに子どもが関わるイレギュラーな施策

――プロジェクトを進行させる上で意識したことは何でしょう?

たいしょ:1番気をつけたのは、ビールのPRに20歳未満である子どもが関わるという点ですね。

りんだ:アルコール商材に子どもが関わることは御法度とされていますから。今回の企画の中心となる「親子の約束」に込められた想いを正しく伝えるために、表現にすごくこだわったのを覚えています。

「もっと良い言葉があるのではないか」「こっちの表現の方がグッと来るかも」と考えを巡らせた結果、プレスリリースの原稿が第8稿になっていて。ネガティブを消すというより、よりポジティブにしていくためのリリース作りをしていましたね。

――PRの中に子どもが関わることに、具体的にはどんな配慮をしたのでしょうか?

たいしょ:子どもに中身の入ったビールの缶を持たせないことは徹底していました。当初はビールを飲みながら約束の手紙を書く企画にした方がユーザーの記憶にも残りやすいと思ってたんですけど、お子さまがいる場でビールを提供するのは控えた方が良いなと判断しました。

また子どもが大人になってからビールを飲むことを強制してしまわないように、動画内では「20年後一緒にビール飲もう!」という父親からの問いかけに対して子どもが「やだ〜」と断っている様子も入れています(笑)。

りんだ:ポップアップイベントでは、子どもを誘い込むことはしないと決めていましたね。

たいしょ:そうそう。正直、風船を持っていたら子どもが興味を持ってくれると思います。でもそれだと本質的ではないので、あくまでも親御さんに向けたコミュニケーションを大切にしていました。大前提として「約束のよなよなエール」は子どもが大人になるまでお酒を飲まないという約束でもあって、20歳未満の人にお酒を飲むことを推奨しているキャンペーンではありませんから。

――プロジェクトを進行する中で困難なことはありましたか?

りんだ:ポップアップイベントの会場探しが大変でした。

たいしょ:サニーさんとの企画が始動したのが2022年3月、ポップアップイベントの開催が8月だったので、準備期間がかなりタイトだったんですよね。

りんだ:親子が夏休み最後の思い出づくりをするのにふさわしいことを軸に、「屋根がある場所の方がいい?」「参加した人たちがSNSに投稿したくなる場所はどこ?」と議論しながらめちゃくちゃ考えました。

たいしょ:結果的には、東京ソラマチとららぽーと豊洲という完璧な場所で実施できてよかったです。

■5時間で予定数量達成!緊急MTGを開催するほど大盛況

――「約束のよなよなエール」はリリース直後から話題になりましたね。

たいしょ:ものすごい反響でしたよね。2,000名様分のよなよなタイムカプセルが5時間で予定数量に達してしまって。

りんだ:当初は先着順での応募で、2週間での予定数量達成を目処に考えていたので緊急ミーティングを開いて。急遽1,000缶追加して、今度は抽選で募集を行うことにしました。

たいしょ:リリース前は余ってしまわないか心配してたんですけど、蓋を開けたらすごい盛り上がりで。リリースと同時にメディアからも記事を出してもらえるように仕掛けていた成果も表れていると思います。

りんだ:PR戦略がうまくはまったなと思いました。即完売したことを発信したらまた盛り上がったんですよ。追加の1,000缶は抽選形式に変えたことで、さらにたくさんの方から素敵な約束が届きました。いろんな人が約束を大切にしていることが伝わってきたので、数量以上のものが感じられたなと思います。

たいしょ:我々はこれまでファンに向けた企画を実施してきたので、否定的な意見が出ることがほとんどなかったんです。でも今回は企画に対していろんな声が聞こえてきました。中にはニュースサイトのコメント欄で否定的なコメントをされている方もいて、それに対して他の方が「そういう意味じゃないでしょう」と意見を被せてくれている場面なんかもあったんです。否定的な意見も我々がきちんと説明責任を果たせる範囲内だったので、ネガティブには捉えてないです。むしろ健全な批判の声が出たことで、今までと違う層に届けられた実感がありました。

――ポップアップイベントの方も大盛況でした。やはりリリースを見て来場された方が多かったのでしょうか?

りんだ:リリースや記事を見て足を運んでくださったファンの方もいます。ですが、よなよなエールをまだ飲んだことない人が告知記事を見て会場に足を運ぶのって、ハードルが高いと思うんですよね。なので偶然通りかかった人がどうしたら立ち止まってくれるかにフォーカスして、動線作りを考えていました。

ブースには通りがかりの人に気に留めてもらえるような動画や音楽をセッティングしていましたが、一番は楽しそうにしている参加者に反応して足を止めてくれる方が多かったですね。会場に選んだ東京ソラマチとららぽーと豊洲は元々親子連れが集まりやすいスポットなので、施設自体が告知物になっていた感覚もあります。

たいしょ:約束の手紙を書いているときに険しい顔をしている人はいなくて、みんなニコニコしているピースフルな空間が出来上がっていましたよね。

りんだ:来場者アンケートの結果を見ると30%強の方がよなよなエールを飲んだことがない方だったので、認知拡大の効果もしっかりと出せたと思います。

――2032年、2042年の「約束のよなよなエール」の発売が楽しみですね。

たいしょ:今回サニーさんと一緒に取り組んだことで、本当に良い企画になったと思います。

りんだ:こちらこそ本当にありがとうございます!リリース直前にヤッホーブルーイングのみなさんから一緒に頑張ろう!っていう寄せ書きが送られてきたときはめちゃくちゃ嬉しかったです。「絶対に成功させよう」という気持ちが強まりましたし、ヤッホーさんのチームづくりも素晴らしいなと思いました。

たいしょ:ありがとうございます!また同じメンバーで楽しいことをやりましょう!


日本のビール市場にバラエティを提供しているヤッホーブルーイングさんと、“たのしいさわぎをおこしたい”サニーサイドアップがタッグを組み、大成功を果たした「約束のよなよなエール」プロジェクト。最後に、「また楽しいことをやりましょう!」と“約束”しているお二人の笑顔がとても印象的でした。

サニーサイドアップが手掛けた他プロジェクトの記事は、こちらをご覧ください。

 

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伊藤 美咲(SUNNY DAYS オフィシャルライター)

フリーランスのライター。インタビュー記事やイベントレポート、コラムなどの執筆を手がげる。ジャンルはエンタメ、旅行、食、ビジネスなどあらゆる領域を担当。音楽と紅茶と焼き菓子が好き。

※所属は執筆時と異なる場合があります

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