意外ときちんと説明できない!?PRと広報の違い、PRと広告・宣伝の違いとは?
今の時代に即したPR手法やブランディングのノウハウなどを読み解く連載企画「SSUのPRメソッド」。今回は、「PRと広報の違い、PRと広告の違い」について、一部個人的な見解も交えてですがお話しさせていただきます。
前回までのPRメソッドはコチラから。
■PRと広報の大きな違いは”双方向のコミュニケーション”の有無
早速ですがみなさま、PRと広報の違いを明確に説明できますか??
※そもそも「PR」とは?の解説はこちらの記事を御覧ください。
サニーサイドアップが考える「PR」とは?今重要視されているPRを徹底解説!
https://blog.ssu.co.jp/pr_methods/18275/
広報は、”広く報じる”ということで、一方向的に誰かに向けて情報発信するというものです。
一方、PRとは”パブリックリレーションズ”の略で、公共との関係構築が直訳です。関係構築というからには、一方向のコミュニケーションではなく、双方向のコミュニケーションが欠かせません。そのため、PRとは、広報+広聴の2つの役割があります。情報発信はもちろん、周りに耳を傾けることもPRのすべきことです。
SNSが普及し、誰もが発信者となりうる今の時代。世の中に向けて情報発信したことがどのような反応だったか、確認しやすい時代とも言えます。そのため、PRとSNSは必ずセットで見なければいけません。SNSの計測ツールを導入しなくとも、企業名や商品名、キャンペーンハッシュタグでのエゴサーチは担当者であれば必須です。
グループインタビューは一長一短あり、深く商品に関することをヒアリングすることは出来ますが、インタビュアーの腕が良くなければ、本音を引き出せなく、とても難しいものです。一方、SNSには比較的”本音”が転がっています。
プレスリリースやニュースレターを配信した後や、キャンペーン・イベントを実施した際には、ぜひSNSの反応もキャプチャして取っておくようにしましょう(量と質の両方の観点で見れるとよい)。これも広聴の一つです。
また、一般の生活者だけでなく、情報発信の対象者(受け手)はステークホルダーとも言えるので、例えば社員の場合もあれば、政府などの場合もあります。その中でも最も重要なメディアも、メディアプロモート活動でパブリシティが獲得できなくとも、”なぜ取り上げなかったのか”、そのヒアリングもいわゆる広聴です。
クライアント(広告主/メーカー)からすると、直接メディアとコミュニケーションを取っていない場合、メディアの生の声はとても貴重ですし、中々SNSやWEBで拾うことはできません。そのため、メディアヒアリングやプロモートの反応があれば、メモしてクライアントにフィードバックすることは、PR会社の担当者であればぜひやっていただきたいです。
少し話が逸れましたが、PRと広報の違いは双方向のコミュニケーションです。そして、今の時代の企業の広報活動では、広聴を含めたPRが求められています。
なぜかというと、施策を実施して終わりではなく、その反応を確認して、次回以降のプロモーション施策のプランニングに反映させるべきだからです。
ターゲットとしている人の気持ちは若年層ほど移り変わりが激しく、インサイトやモーメント(意識しているかいないかに関わらず心の奥の方にある欲求や、その欲求が現れる瞬間)を捉えるには、施策の反応をきちんと確認するのが重要です。
■PRと広告の違いは…境目が無くなりつつある?
”違い”のつながりで、PRと広告の違いについてもお話ししたいと思います。
PRと広告は明確に違いがあると思いますか??
個人的には、もう広義のPRと(最初に申し上げた広報+広聴)広告に境目はなくなってきていると思いますし、それはPR会社の人間が自分達の領域を拡げたい意図があっての虚言でもないと思っています。
まずは誰でも分かる狭義のPR(パブリシティ)と広告の違いをご説明します。
パブリシティとは、PR活動等を通じて報道機関など様々なメディアで報道されたり、SNS上で投稿されたりすることを意味します。
パブリシティは、広告枠に情報を掲載するのではなく、メディアのコンテンツの中で取り上げてもらうものです。
広告は、広告枠に有料で情報を掲載してもらうもの(メディアバイイング)です。
パブリシティは、メディアが情報を編集して掲載します。
広告は、自分達の発信したい情報でメディアに掲載してもらいます。
ここで言いたいのは、旧来のPR(パブリシティ) vs 広告論でよく言われる、”PRの方がお金が掛からない”、”メディアの広告枠ではなく、コンテンツ内に掲載されるから信用されやすい”ではありません。
いやいや、パブリシティももちろんお金は掛かるし、パブリシティでは本当に言いたいことが伝わらない文脈で掲載されてしまうこともありますし。
一番重要なのは、メディアが”読者や視聴者が欲しいと思う”情報に編集して、掲載してくれることに価値があります。それが、企業側の意図と違うものになったのであれば、それは世の中が欲している情報の読み間違い、もしくは事前に収集していたファクトの見当違いなだけです。メディアが編集することにより、生活者(読者や視聴者)にとって、受け入れられやすい情報となり、きちんと届くようになります。
メディアが情報を編集することを意識して、情報開発することを「PR発想」と呼びます。このPR発想が広告クリエイターさんにも浸透してきていると思います(PR発想という言葉で認識されているかは分からないのですが)。
CMやWEB動画、新聞広告、OOHがSNSでバズる、話題になることを設計して、メッセージやクリエイティブが作られていますよね。話題化するのは、メディアだけでなく、一般生活者のSNS発もあり得るため、広告を掲載して終わりではなく、掲載後の話題化までを見据えてプランニングされているのは、まさにPR発想だと思います。
PR発想で施策立案し、成果につなげるための手法がメディアバイイングなのか、フリーパブリシティを取るためのメディアプロモート活動なのか、それはそこまで重要ではありません。あらゆる手法のコアとなるアイデアをPR発想で考えているかどうかが重要で、それはPRだからではなく、広告もされているのかと常々思っています。
最後に…
PR発想がPRの企画の中でどれくらい重要かというと、
ショートケーキのいちごだったり、
サッカーのボランチだったり、
アイドルグループのセンターだったり、
プランナーの睡眠時間だったり、
PR会社のメディアプロモーターだったりします。
それがなければ始まらない、それがなければ機能しないという、
とても大事なことなので、
こちらについては次回、きちんと説明していきます。
なんか宣伝みたいな、次回予告みたいな終わり方ですが、
こんな終わり方をしても怒られないかなと、
個人の遊びを入れてみました。
次回以降のブログも、他のメンバーのブログも、ぜひぜひお楽しみにしてください!
(もちろん、過去記事を見逃している方は、必ずチェックお願いします!!)
この記事を書いた人
パブリックリレーションズ事業本部
アカウントプランニング局 プランニング部グループ1
亀山 一樹
プランニングスキルを習得するべく、中途でサニーサイドアップに入社して2年半が経過。元乃木坂46の白石麻衣・ホストのローランドと同じ平成4年生まれの世代だが、彼らほど世の中へインパクトを与えられていない自分に焦りを感じている、今日この頃。一番の推しは日向坂46の東村芽衣ちゃんです。皆様、めいめいの応援をよろしくお願いします。
※所属は記事執筆時のものです