「PRイベント」を徹底解説(前編)!~新しい価値観を発信する場に~
今の時代に即したPR手法やブランディングのノウハウなどを読み解く連載「SSUのPRメソッド」。今回は、PRイベント(記者会見)の種類や開催の方法・コツについてご説明したいと思います!
前回までのPRメソッドはこちらから。
■PRイベントの目的
みなさんも一度はTV番組などで、「タレントの●●さんが▲▲の新製品発表会に登場しました」といったシーンを目にしたことがあるのではないでしょうか?
それがPRイベント(記者会見)と呼ばれるものです。
PRイベントの大まかな目的とは、メディア関係者を会場に集めて”新情報”を発表することで、露出獲得を図ること(=多くのメディアで紹介されること)。
PRイベントでは、メディア関係者に対してプレスリリースに記載している以上の情報を伝えたり、登壇者が直接語るシーンといった撮影ポイント(=記事や番組で紹介される際の”画”)を作ることで、記事化の確度向上を図ることができます。
現在では、人を集めないオンライン形式(※)での記者会見を開催する例も多くなってきました。
※オンライン会議システムや動画配信システムを活用し、PCなどを通じて遠方からでも参加できる形式
今回の記事では、一般的なPRイベントの種類とその特徴をご紹介していきます。
■PRイベントの種類
<ビジネス系PRイベント>
ビジネス系PRイベントとは、企業・団体が新事業への参入時や、新製品・サービスを発表する際に、メディア関係者に向けてお披露目をする場のことです。
● 時期
新製品の発売やサービスの開始前に実施
● 参加者
メディア関係者:TV(情報番組ニュース班)、新聞(経済部、文化部、生活部)、Web一般ニュースサイト) など
登壇者:企業トップ(代表取締役社長など)、製品開発者、マーケティング担当者、業界有識者など
● ポイント
フォトセッション、質疑応答取材、囲み取材(時間・場所を定めて、記者が取材対象者を取り囲んで行う取材形式)、ぶら下がり取材(囲み取材と似ているが、形式ばらずに個別に話を聞くニュアンスが強い)、個別取材(取材時間をメディアごとに個別に設け、取材に応じること)、オンライン取材の実施など、複数の撮影ポイントや取材手法を組み合わせることで、露出の量や質の向上を図ります。
● イベント式次第一例
MC挨拶・概要説明 → 登壇者プレゼン → 質疑応答 →フォトセッション → 囲みorぶら下がりor個別取材 といった流れが一般的です。
<芸能系PRイベント>
一方、芸能系PRイベントでは、著名人やタレントの方々が登壇するイベントを行うことで、エンタメ系メディアでの露出獲得を狙うのが主たる目的となります。
著名人やタレントの方々のトーク内容や動きのある演出を通じて、露出獲得を図ります。商品やサービスの理解向上はもちろんですが、ビジネス系PRイベントに比べて、より”華のある画”が撮れるため、話題喚起・認知拡大が前面に来る場合が多いです。
● 時期
新製品の発売やサービスの開始前に実施
※製品・サービスを紹介するCMがOAされる直前で開催される場合も多いです
● 参加者
メディア:TV情報番組芸能班、スポーツ紙、女性週刊誌、TV誌、WEBメディア (エンタメ系)など
登壇者 :タレントの方、製品・サービスを提供する企業トップ など
● ポイント
・フォトセッションは必須
・囲み取材の有無でメディア関係者の興味関心度合いが変化(囲み取材がある方が、より踏み込んだ取材が出来るため)
・最終的な露出内容がタレントの方の発言や行動に寄る部分も多いです。イベント内容には、画作りなどを通して、本来伝えたいメッセージを落とし込むことが重要となります。
● イベント式次第一例
MC挨拶・概要説明 → (新CM上映) → 出演者登場演出 →トークセッション→ 動きのある演出 → 〆コメント → フォトセッション→ 囲み取材 →個別取材
よく目にするPRイベントの裏側には、「どうやったら企業・団体が発信したいメッセージを最大限伝えられるか」というPR視点での”見えない計算や努力”が秘められています。
報道番組やワイドショーなどでPRイベントが紹介されていたら、どんな画作りや演出がなされているかに注目してみると、これまでと違った視点でニュースを捉えることが出来るかも知れません!
後編では、プレスツアーや内覧会などのPRイベントをご紹介します!お楽しみに!