カンヌライオンズ2026閉幕!最高峰の祭典で得た、これからのPRを動かす「人間らしさ」への回帰
みなさん、こんにちは! サニーサイドアップ PRプランナーの山口です。
南フランス・カンヌで毎年開催されている、世界最大級のクリエイティビティの祭典「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」。今年、現地に参加したメンバーによる、事前の注目作品まとめ・レポートは、みなさんお楽しみいただけましたでしょうか?
無事に日本へ帰国し、現地で浴びた圧倒的なクリエイティビティの余韻と熱量が冷めやらぬ中ですが、最後のレポートを書かせていただきます!
今回は、最終日に発表された大注目の「Titanium(チタニウム)部門」のグランプリ作品についての紹介、そして現地でのセッションやケーススタディを通して私たちが得た「これからの時代のコミュニケーションに活きる学び」を語らせていただきます!
カンヌライオンズ最高峰!Titaniumグランプリを受賞したのは?
カンヌライオンズ期間最終日、全部門の中で総合的に評価される、Titaniumについて発表されました。
Titanum lions|Grand Prix
HAVEN
Suncorp Insurance
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大規模な森林火災など、気候変動の深刻な影響により、オーストラリアは保険の引き受けが困難な状況に直面していました。保険業界が事後対応である「回復(リカバリー)」に注力し続ける中、Suncorp保険は過去5年間にわたり、自然災害が起きる前に備える「レジリエンス(防災力・回復力)」へ焦点を移しました。将来のレジリエンスの青写真となる「1軒の家」を研究・設計・建設し、不十分な建築基準を明確に。そして、その知見を既存の住宅に適用することで、既存の住宅でもレジリエンスを高められることを証明しました。その後、オーストラリア全土の1100万戸の住宅に対し、リスク評価を提供する世界初のデータ・デジタルプラットフォームを展開。これにより、災害に備えて何をすべきかを正確に分析できるようになり、保険商品や最先端の災害監視施設の設立、そして国の建築基準法や政府・業界の防災関連支出に影響を与えました。 |
昨年に引き続き、2年連続で保険会社がグランプリを獲得しました。一般的に「保険=お金をとられる、手続きが堅苦しい」という、ややネガティブなイメージを持たれがちな業界において、そのイメージを根底から覆し、「何のために自分たちの企業が存在するのか=生活者を守る」という本来の社会的意義(パーパス)に真っ直ぐ立ち返っている点が、昨年と共通しています。
この「どこまでも誠実な姿勢」こそが、世界最高峰のアワードの審査員たちの心を動かし、高い評価に繋がったのだと感じました。やはり、今の時代に評価されるクリエイティブの根底には、ギミックだけでなく、企業としての「誠実さ」があるのだと強く実感させられました。
現地メンバーが感じた学び
今回の現地視察メンバーは、事前から世界中の膨大なケーススタディに触れ、トップクリエイターたちの講義を浴びてきました。言語や文化、メディア構造の違いがあるため、海外の事例をそのまま日本に持ってくることは困難な点も多くあるとは思います。
しかし、アイデアの根本にある「インサイトの捉え方」や「見立ての工夫」の本質は万国共通です。私たちがこれからの実務に活かすべき学びも多くありました。
AI時代だからこそ、「人間の『感情・熱量』をターゲティングする」
技術としてAIを使い、PRコミュニケーションがより効率的かつ簡単にできるようになっている昨今。だからこそ、今回のカンヌで評価された作品は、徹底的に「人間らしさへの回帰」や「一見無駄に思えるような愛すべき行動」にスポットライトを当てたものが多かったように感じます。

「自分が盗まれたキットカットを探す探偵になったら楽しい」「スポーツのサポーターってどうしても“運”を気にしちゃう」「ポイ捨てされてゴミになっているブランドを見ると、なんか嫌な気持ちになるよね」といった、人間だからこそ持ってしまう無駄なこだわりや熱さ(感情の余白)を、見事にクリエイティビティに変換している施策が注目を浴びていました。
AIで何でも効率化できる時代だからこそ、効率化するとつまらなくなってしまう人間の“感情”や“熱量”を捉えたアナログなアプローチこそが、今改めて人の心を動かす潮流になっています。各経済圏の心理を正しく読み解き、人だからこそ生まれる熱い感情をアイデアに落とし込むことが、これからの時代に人を動かす絶対条件になるなと感じました!
AIとの向き合い方!「AI=発散担当、自分=編集長」?
アイデアとはよく、「既存のものをいかに組み合わせられるか」と言われています。けれど、人間一人ではそんなに多くの「既存の要素」を一度に思い浮かべることはできません。
カンヌライオンズでアワードを獲得した賞にも、「人が見慣れているもの・当たり前だと思うものを壊し、違う見せ方にすること」「既に存在するものに新しい意味や役割を与えること」という、アイデアの基本が生かされたものが多くありました。
今回学んだことは、「人間の発想量を増やすための最高のパートナーとしてのAIの活用」。例えば、「飛行機」というお題に対して「翼、窓、座席、機体番号…」と大量の関連ワードを瞬時に発散してもらうような役割です。 つまり、【AI=大量の発散担当】、【自分=そこから面白い組み合わせを選ぶ編集長】という役割を明確に意識すること。この付き合い方こそが、クリエイターがAI時代を生き抜く武器になると感じました。
最後に:ケーススタディという最高の教科書を、明日からの「たのしいさわぎ」へ
今回のカンヌ派遣にあたり、事前に自分たちで膨大なケーススタディを予習・まとめていく作業は大変なものではありましたが、現地で本物の作品や解説に触れたことで、その事前学習が何倍もの価値になって返ってきたと感じています!
現地滞在中も、「これは日本のあの案件に参考になりそう!」と思ったアイデアを、すぐに社内でメンバーに共有したりと、自分自身の発想の引き出しがグンと広がる最高の経験になりました。
グローバルな視点を得た今だからこそ、これからは国内のアワードや、日本の生活者に深く刺さる地道で熱い施策にももっと注目していきたいと思っています。
今回のカンヌで得たお土産(インサイトとアイデアの種)を社内に還元し、クライアントの皆様、そして社会に向けて、さらに新しく、人の心を動かす「たのしいさわぎ」を仕掛けていきますので、これからのサニーサイドアップにぜひご期待ください!
全4回にわたるカンヌライオンズ2026レポート、最後までお読みいただき本当にありがとうございました!



