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第1回「ステイ・アット・シャドウ」(後半)

本来、社長が書くべきであろうブログを、わけあって社長の心情を中野の雑居ビル時代からよく知る立場のひとり”ローリー”が、社長の心情や歩みを浮き彫りにすることで、本人よりもリアルに社長と会社のいまを伝えていこうという渾身(!)企画。

written by ローリー

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社長室で・・・

社長室で

 

「たのしいさわぎをおこしたい」

は、この会社を象徴するために初めて記したコピーであり、いまもその精神は継承されているが、このフレーズ自体が、結局半分くらい、彼女の人生のことを言っていると思う時がたびたびあった。

とにかく、サニーサイドアップ社長、次原悦子はじっとしていられないのである。

見て見ぬふりができない。
困っている人がいると放っておけない。
時には困っていなくてもちょっかいを出す。

20年ほど前、上海の駅前で2000人を越える群衆に囲まれながら、中国人同士の喧嘩の仲裁に入っていったことがあったが、これは本来、一介の日本人旅行者がしなくていいことである。

ただこうした性格、行動パターンであるがゆえに、引き当てたものも無数にある。我々の仕事は、ちょっとした出会いに何かを感じるかどうか。
(あえて色気のない言葉で言えば、ビジネスチャンスということになるが)
この人と何かがしてみたいとか、相談された言葉の隅に何かの可能性を感じるとか

そんなセンスや嗅覚を持っているかどうかで、運命が変わることが多い。
そう考えると、こうした偶然や出会いを形にしてきたことが、サニーサイドアップの歴史をつくってきたのかも知れない。

見て見ぬふりができない。

困っている人がいると放っておけない。

スポーツマネジメントビジネスに乗り出したのも、きっかけはそんなことでしかなかった。そうした出会いの中に、本当の意味での「時代の寵児」たちがいたことも大きかった。
そう、もうひとつ言えば、次原悦子は実に“引きがいい”のである。

もちろん結果的に“引きがよかった”といえる状態になったのはアスリート自身の努力と、
アスリート価値を最高の場所まで高めようと、もがいてきたチームスタッフの英知の賜物でもある。

それがあればこそ“引きがいい”伝説を楽しめるのである。

商品や企業や人物の価値を最大化するために知恵を出し、中からでは決して見えないもの、気づかないものにもスポットを当て、黒子としてありとあらゆることに立ちまわる。

パートナーであるクライアントが、共に作り上げた戦略のもとに真っすぐ進んでいった結果、脚光を浴び、世論を動かし、賞賛や共感を生みだす。

そんな瞬間に立ち会えることを、仕事の喜びとするDNAは、ステイ・アット・シャドウの精神とともに今に至るまでサニーサイドアップに貫かれているように思う。

と、初回なのであえてきれいにまとめてみたが、
思えば彼女の引きのよさは、例えれば、金塊を掘り当てた帰り道に、見つけなくていい身元不明の人骨まで見つけてしまうようなこととセットになっていることも多い。

本人だけのさわぎで収まっているならいいが、たいていは気持ちよく周りの人間を巻き込むことが多く、彼女からの休日や真夜中の携帯電話の着信は、大抵そうした“たのしいさわぎ”の始まりを告げるものである。

そんなエピソードは、また環境が許せば、別な機会にご紹介したい。

では、

次回の「社長が書かない社長ブログ」にご期待ください!

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