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ファッション×PR業界も“ニューノーマル”時代!? コロナ禍で行われた2021年の春夏シーズンのファッション・ウィークをご紹介!

みなさまこんにちは。今回のブログは、ステディスタディメンバーがお届けいたします。

ステディスタディは、20203月にサニーサイドアップグループに参画したPR会社です。⽇本における「アタッシェ・ドゥ・プレス(ファッション業界に特化したPR・広報担当)」の先駆け的な存在として、ファッション・ライフスタイルブランドの“ブランディング力”に強みを持っています。同社の紹介ブログはこちらから。

ファッション業界でも、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、数多くの新しい取り組みがされています。その中でも、今年の秋に行われたファッション・ウィークは、今までにない全く新しい方法での開催となりましたので、今日はその内容についてご紹介いたします!

■海外渡航が難しい今、いかにしてブランドの世界観を伝えるか

ファッションの世界では、“新作”は実際に私たちが店頭で目にするよりも半年以上前に発表されています。

通常は年に2回、“ファッション・ウィーク”と呼ばれる期間に、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリ、東京などで、様々なブランドが次のシーズンの新作コレクションをランウェイショーや展示で発表をしています。ウィメンズの場合、2月には次の秋冬コレクション、9月は次の春夏コレクションが発表されるファッション・ウィーク期間中には、日本からはもちろん世界各国のファッションメディア関係者やバイヤー、インフルエンサーたちが、次シーズンの最新の情報を得るために、また買い付けをするために現地を訪れます。

しかし、コロナウイルスの感染拡大が懸念されている今年の秋、2021年の春夏シーズンのファッション・ウィーク時には、現地へ渡航をするファッション関係者がほとんどいない状況に。そのため、現地に赴かなくても新作コレクションを体感できるように、各ブランドが工夫を凝らした、これまでとは異なる“新しい日常に沿った新しいスタイル”での発表がなされました。

ファッションブランドが新作を発表する際、デジタル環境を用いて、無観客の会場で行うランウェイショーのライブ配信、イメージ動画の配信や、コレクションルックを着用したモデルのルック画像を配信することは今までもありました。ですが、コロナ禍の今シーズンは、デジタルでしか表現できない発表や、デジタルとフィジカルな発表の組み合わせなど、各都市のファッション・ウィークで、様々なアイデアが凝らされたコレクションが発表されました。

ファッション&ビューティー業界紙の「WWD JAPAN」でも、コレクション速報としてファッション・ウィークのデジタル化について特集が組まれました。

WWD JAPAN 10/12号表紙

WWD JAPAN 10/12号表紙

■デジタルとリアルを駆使した、各ブランドの“ニューノーマル”な表現方法

ニューヨークでは「rag & bone(ラグ & ボーン)」が、マイクロソフトとコラボレーションして作成をしたショートフィルムを発表しました。空想上のニューヨークを舞台に、新作コレクションのアイテムを着用したアバターが登場。アバターの動作やファブリックのディテールをバーチャルへと変容させ、多様性を仮想的に表現しています。

ラグ & ボーン2021年春夏コレクション ショートフィルムはこちらから。

ミラノでは、シューズブランドの「Sergio Rossi(セルジオ ロッシ)」が、2020年に逝去した創設者のセルジオ・ロッシにオマージュをささげた新しいコレクションのショートフィルムを公式ホームページで公開時間を限定して発表。

セルジオ ロッシ 2021年春夏コレクションより

セルジオ ロッシ 2021年春夏コレクションより

EMILIO PUCCI(エミリオ・プッチ)」は、2021年春夏コレクションの世界観を存分に表現したショートフィルムを公開。ショートムービー内では、日本人デザイナー「TOMO KOIZUMI(トモコイズミ)」をゲストデザイナーに迎えたカプセルコレクションも発表。アーカイブプリントからインスピレーションを受けた色彩を取り入れた、カラフルでドリーミーなカプセルコレクションは、現地のミラノで開催されたインスタレーションでも大好評を博し、訪れたミラノやヨーロッパのファッション関係者のSNSへの投稿が相次ぎました。

エミリオ・プッチ 2021年春夏コレクション ショートムービー’Sulla Riva’より

エミリオ・プッチ 2021年春夏コレクション ショートムービー’Sulla Riva’より

エミリオ・プッチ 2021年春夏カプセルコレクション 展示の様子

エミリオ・プッチ 2021年春夏カプセルコレクション 展示の様子

パリコレクション期間中には、ノルウェーのブランドTOMWOOD(トムウッド)が新デザイナー Mattia Van Severen(マッティア・ヴァン・セヴェレン)を迎えた2021年春夏コレクションをデジタルで発表。コレクションに使用される全てのテキスタイルはアップサイクルかサステイナブルなものを使用した、メンズ、ウィメンズそれぞれ10型程にアイテム数を絞ったコレクションが発表されました。物が溢れている今の時代に“意味あるブランド”として、サステイナブル先進国であるノルウェーのブランドらしいコレクションとなりました。ブランドのオフィシャルインスタグラムやウェブサイトでのルック画像発表の後、ブランドの世界観を詰め込んだ、分厚く大きなルックブックが関係者に届けられました。

トムウッド 2021年春夏コレクションより

トムウッド 2021年春夏コレクションより Photo credit: Calle Huth

トムウッド 2001年春夏コレクションのルックブック

トムウッド 2001年春夏コレクションのルックブック

■ワインやモデルの原寸大ポスター…趣向を凝らした各ブランドの招待状!

今シーズンの主な発表の場はデジタル環境の中ですが、通常のコレクション・ウィークと同様に、各ブランドからはデジタル発表の開催時間を知らせるインビテーションカード(招待状)が届けられることが多かったです。限られた時間のみ公開されるコレクション発表への期待感を高めるために、各ブランドがそれぞれのブランドの世界観を表現したものを関係者やインフルエンサーに送付していました。コレクションのインスピレーション源を表現するアイテムをインビテーションカードとするブランド、コレクション鑑賞時に飲むワインを送るブランド、中には、プレスキットとして畳一畳ほどあるボックスの中にモデルの原寸大に出力したポスターを用意したブランドも!

フィジカルな場での発表ができない分、それぞれのブランドが様々な趣向を凝らし、コレクションを表現しています。

他の業界に比べて、デジタルへの取り組みが遅れていると言われてきたファッション業界。誰もが予想しなかった状況が大きなきっかけとなりましたが、新たなフェーズへ向かうべく、急速に、デジタル化が進んでいます。

それに関連して、ステディスタディでは、オフラインで行っていたブランドPR業務を、オンラインで対応可能にしたデジタルショールームシステム「ENCHANCE(エンチャンス)」を20207月上旬にローンチ。

当システムにより、これまでオフラインで行っていたサンプル品の展示と管理、貸出依頼対応、レポーティングといったブランドPR業務をすべてオンラインで行うことが可能となっています。非接触型コミュニケーションが必要とされるコロナ禍において活用が期待されるサービスです。詳しくはこちらから。

この先、ファッション×PR業界の情報も発信していきますので、ぜひご期待ください!

それでは、次回のブログでお会いしましょう!

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