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「PRイベント」を徹底解説(後編)!~カタチにとらわれず、人と世の中を動かすために~

今の時代に即したPR手法やブランディングのノウハウなどを読み解く連載「SSUのPRメソッド」。前編に引き続き、PRイベント(記者会見)の種類や開催の方法・コツについてご説明したいと思います!

前編はこちらから。

でご紹介したような、新製品・サービスを大々的に発表するだけがPRイベントではありません。新製品・サービスを取り巻く要素や発信したいメッセージ、実施目的などを総合的に鑑み、最適なPRイベントをプランニングしていきます。そうすることで、”社会との良好な関係を形成する”PRの力の本領が発揮されるのです。

PRイベントといっても種類は様々。それぞれ特色の異なる実施形式の例をご紹介します。

■プレスツアー
主に、首都圏外や海外といった「遠方の取材場所」のPRを目的に実施するもの。現地にメディア関係者を招き、ツアー形式で巡ります。地方自治体のほか、首都圏外のホテル・施設のPRなどで良く用いられる手法です。

資料や言葉だけでは伝えきれない、現場ならではの魅力や取材ポイントをメディア関係者の方々に体験いただくことが可能です。クライアント企業・団体の方々の想いやこだわりを直接訴求し、”リアルな感動や喜び”を体感する場を創出。質の高いアウトプットに繋がることが望めます。

ポイント
・ツアーに参加しなければ体験できないモノ・コト・バショを用意する
・事前に「取材出来るポイント、撮影できる画」などをメディアの方に伝えておく必要あり

■工場見学
プレスツアーの中の一種。製品の生産工程を直接メディア関係者に見せることで、製品やブランドに対する理解を深めることが出来ます。

独自技術を用いて製品を製造している食品メーカーであれば、”普段は取材出来ない工場”といった取材ポイントを用意することで、付加価値を生み出します。

ポイント
・工場によって取材が出来る範囲やNGな場所があるため、事前に確認が必要
・服装や身なりに入るときの制限がある工場もあるので事前に確認が必要

■セミナー・オンラインセミナー

クライアント企業・団体が有する知見を交えて、講演・勉強会形式で実施するPRイベント。

新製品・サービスが属する業界に明るい有識者をスピーカーとして招くこともあり、客観性や信頼性のある情報をメディア関係者に訴求することが出来ます。

セミナー自体が記事になることは少ないですが、内容を“深堀り”した記事を執筆いただける可能性が高まります。

ポイント
・講演内容が専門的になりやすい場合もあるので、バランスを保ちつつ、ある程度一般化した内容にする必要あり
・現在では、オンラインセミナーやウェビナーなど、オンライン形式で実施することも多い

■オープニングセレモニー
店舗や施設のオープン時などのお披露目タイミングに、その店舗などの稼働開始自体を世の中にわかりやすく伝えるためのPRイベント。関係者によるテープカットを行うなど、”華々しさ、スタート感”を演出に組み込んで実施することが多いです。

ポイント
・商業施設であれば、”まちぐるみ”の規模感を表現するために、市長や区長といった公的な方々を登壇者に招待することもあり

■内覧会
店舗や施設のオープン前の話題化を最大化するために、一般の方々に先行して、メディア関係者に施設内を内覧いただくPRイベント。内覧会の開始直後には、店舗や施設の概要説明、ポイントとなるスポットの説明などを行い、その後自由内覧とするケースが多いです。

ポイント
・店内のレイアウトやディスプレイなどは、オープン時と同等にしておく
・食に関する店舗の場合、試食用と撮影用のメニューそれぞれを用意した方が望ましい

■試食会
食に関するメディアは、専門紙・誌やフードライターの方々など、専門の担当者が多いジャンルの一つです。PRするレストランや店舗などのメニューを実際に提供し、先行して体験・取材してもらうのが試食会です。

代表者やフード責任者から、メニューの説明やこだわりをお話しいただいてから試食することが多いです。また、食というカテゴリは「インスタグラム」との相性もよいため、インフルエンサーと呼ばれる方々をご招待することも増えてきています。

ポイント
・試食用は小分けにしたものにし、撮影用にフルセットのものを用意することが多い
・インフルエンサーの方々も大勝した試食会も増加傾向

■記者懇親会
露出の獲得ではなく、クライアント企業・団体とメディア関係者との”リレーション(=つながり)”の強化を目的とするPRイベントです。食事を用意して、クライアント企業・団体のトップや担当者から、メディア関係者へ直接思いを伝える場にすることが多いです。

現状のコロナ禍の影響により、従来の食事を介した大規模な懇親会はほとんど見られないのが現状です。ただ、「オンライン懇親会」というオンラインでの交流も徐々に増えつつあるようです。

いかがでしたでしょうか。一口にPRイベントといって、その目的や種類は様々です。コロナ禍によりテレワークが急速に普及したように、PRイベントもオンライン形式といった新たな手法が台頭しつつあります。

クライアント企業・団体、メディア関係者、そしてPRエージェンシーである私たち。文字にするとそれぞれ巨大な組織が動いているように見えますが、”因数分解”してみると、どれを動かしているのも”個人一人ひとり”です。

どれだけ目の前の人が持つ信念に共感できるか、どれだけ熱意を持って伝えられるか。手法は変われども、PRの神髄はそこにあるのかも知れません!

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