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【ファナティクス ジャパン×サニーサイドアップ】MLB TOKYO SERIES 2025 熱狂の裏側に迫るPR戦略とは

2025年3月に開催し大きな盛り上がりを見せた、MLB TOKYO SERIES。大谷翔平選手らが所属するロサンゼルス・ドジャースとシカゴ・カブスがここ日本で開幕戦を行い、日本中が熱狂の渦に包まれました。この記事を読んでいる方の中にも、手に汗を握りながら試合を観戦した方が多いのではないのでしょうか。

そんな試合をさらに盛り上げたのが、ユニフォームやTシャツなどのオフィシャルグッズ。これらを手がけたのが、ファナティクス・ジャパン合同会社です。サニーサイドアップは、MLB TOKYO SERIESをはじめとする、ファナティクスが取り扱うさまざまなスポーツチームの公式グッズのPRを担当しています。

今回は、ファナティクス・ジャパン合同会社のEコマース部ウェブマーケティングマネージャー 山名知世さん、戦略部マネージャー 栗栖勇人さん、サニーサイドアップの5局スポーツ 浅野憲央、二宮祐輔の4人によるクロストークをお届けします。

左からファナティクス・ジャパン合同会社 Eコマース部ウェブマーケティングマネージャー 山名知世さん、戦略部マネージャー 栗栖勇人さん サニーサイドアップ浅野憲央、二宮祐輔

国内外のスポーツチームの公式グッズを展開するファナティクス

――山名さんと栗栖さんは、ファナティクス・ジャパンでどのような業務に携わっていらっしゃいますか?

栗栖さん:わたしは戦略室に所属し、社内外の案件管理を担当しています。具体的には、仕入れからお客さまの手元に商品が届くまでをスムーズに進行させること。また、社外との交渉・調整業務や、新規パートナーシップの開拓も担当領域です。

山名さん:わたしはEコマース部門で、オンラインストアのデジタルマーケティングを担っています。SNSやメールマガジン、デジタル広告などを通じたWebコミュニケーションが主な業務です。

栗栖さん:ファナティクスは、スポーツ関連グッズの製造・販売を中心に展開しているアメリカ発の企業です。日本では2018年から事業を開始し、現在ではプロ野球3球団、Jリーグ6クラブをはじめ、さまざまな公式グッズなどを手がけ、日本市場でも事業を拡大しています。

山名さん:アメリカ本社ではアメフト(NFL)やアイスホッケー(NHL)なども含め、幅広いスポーツリーグのグッズを扱っています。国内では主にプロ野球やJリーグ、野球(MLB)、バスケットボール(NBA)といった海外リーグのストア運営が中心ですね。

わたしが入社したのは4年前ですが、社員の数もどんどん増えているんです。入った頃は数名のチームだったのが、今では10倍以上のメンバーが在籍しています。プロジェクト規模も年々大きくなってきていると、日々の業務を通して実感しています。

――先日開催されたMLB TOKYO SERIES 2025では、どのような取り組みに関わられましたか?

栗栖さん:わたしはプロジェクトマネージャーとして関わりました。海外との連携も多く、非常にスケールの大きな案件でしたね。

山名:わたしはプロモーションとPRを全般的に担当させていただきました。

――サニーサイドアップもプロジェクトに参加されたそうですね。

浅野:ファナティクスさんとはMLB TOKYO SERIES 2025以前からリテーナー契約のもと継続的にご一緒しています。わたしは5局スポーツでスポーツプロモーション全般を担当しており、今回はプロデューサーとしてプロジェクトに参加しました。

二宮:わたしも浅野のもとでスポーツ関連のPR活動に携わっています。また、元メジャーリーガー・五十嵐亮太さんのマネジメントも担当しています。今回のプロジェクトでは、グッズやショップに関する取材対応や、メディアアプローチなどを主に担当しました。

「グッズを売る」だけでなく、ファン体験そのものをデザイン

――サニーサイドアップを知ったきっかけはどのようなものでしたか?

山名さん:わたしたちがMLBオフィシャルグッズ販売を進めるなかで、五十嵐亮太さんとのコラボの可能性を模索したことがきっかけでした。そこで、大谷翔平選手の“50-50”記録達成に伴う記念グッズのPRをスポットでお願いしたのが、最初のプロジェクトです。大谷選手のご活躍もあり、結果的にタイトな依頼にもかかわらず、わたしたちとしても記録に残るぐらいの大きな売り上げを記録できた印象的な案件になりました。

二宮:あの時は、朝8時ごろに大谷選手が記録を達成し、その日のうちにテレビ・Webスポーツ紙すべてに同時アプローチという超過密対応でしたね(笑)。

栗栖さん:ずっと電話が鳴りっぱなしでした。

山名さん:バタバタでしたね(笑)。その後のワールドシリーズでもご一緒し、成果を踏まえて現在のリテーナー契約に至りました。

――PRパートナーとして、サニーサイドアップの印象はいかがですか?

山名さん:“何か楽しそうなことをしてくれそうだな”、という提案が多い印象ですね。単なるメディア対応だけでなく、ファンの心に届くアイデアをもってきてくれます。グッズの魅力をどう伝えるかという点で、非常に力になってもらっています。

栗栖さん:わたし自身は契約に直接関わっていませんが、”サニーサイドアップさんがついていれば安心!”という社内の声を聞いていました。実際に一緒に仕事をして、信頼の理由がわかりました。

浅野:五十嵐さんをきっかけにご一緒することになりましたが、やはりわたしたちもスポーツという領域で、球団やチーム、競技大会など多くの案件に携わっています。そうしたなかで、試合を観るだけでなく、グッズを通してファンとどう繋がるか、どう喜びを広げられるかという「ファン体験」も含めて、スポーツを多角的に盛り上げたいという気持ちがありました。

ファナティクスさんが展開されている事業は、まさにその想いに重なるものでしたし、「スポーツの感動や情熱をより多くの人に届けたい」というわたしたちの想いと共鳴する部分が大きく、ぜひ力添えをさせていただきたいと感じました。

コアターゲットだけでなく、ライト層にも届くプロモーション戦略

――今回のMLB TOKYO SERIES 2025の取り組みについて教えてください。

栗栖さん:MLBから公式グッズの製造や店舗運営、オンラインストアの運営などに関する権利をいただきました。昨年の韓国シリーズでも同様の取り組みがあり、ファナティクスがインターナショナルイベント全体を担う形となっています。東京シリーズでは、日本国内でのオンラインストア運営実績もあり、現地での物販も担当しました。

――雑誌「Smart」とのタイアップも印象的でした。

栗栖さん:村上隆さんのような著名なアーティストとのコラボを実現できたのは、MLBさんと一緒だったからこそ。そして、スクランブル交差点を使ったプロモーションや、渋谷・ミヤシタパークでのオフィシャルポップアップストアを活用したPRなどは、サニーサイドアップさんからのご提案によるものです。プロモーションの観点でも、大きな成果が得られました。

山名さん:Smartとのタイアップでは、浅野さんたちに企画段階からご協力いただきました。カメラマンやモデル、インフルエンサーなど、MLBファンで構成されたメンバーによるコーディネイト企画は、まさに魂のこもった仕上がりでした。弊社からは「こんな雰囲気が理想」というリクエストを出し、細部の進行はすべてお任せでした。

浅野:キャスティングからスタイリング・撮影・編集まで、MLBが好きな人たちでチームを組み、ファッションとしてのユニフォームの見せ方にも工夫しました。ターゲットの広がりを意識し、コアファンだけでなくライト層にもアプローチできる内容にしました。

――反響はいかがでしたか?

山名さん:数カ月が経った今でも、「Smartの記事で山本彩さんが着ていましたよね」というお声をいただきます。企業さんからの提案資料に、その記事が引用されることもあり、社内でも代表的なPR成功事例として語られています。

――サニーサイドアップからは、どんな提案をされたのでしょうか?

浅野:リテーナー契約を結んだ際に、まずはファナティクスさんの企業全体の立ち位置や戦略に即したご提案を行いました。MLB TOKYO SERIES 2025を控えていたので、グッズ発売やコラボレーション、PR戦略などのタイミングを踏まえて、戦略設計から情報整理、施策の最大化まで伴走しました。


二宮:多くの公式ライセンスを持っているにかかわらず、“ファナティクス”という社名が知られていないという課題がありました。東京シリーズという切り口でメディアに取材していただけたことで、企業認知にもつながったのではと思います。

浅野:MLBやチーム名の方が先に出がちなので、「これはファナティクスの取り組みでもある」と伝えるために、プレスリリースや記事構成でも主語に明確な工夫をしました。結果的に、企業価値と情報の拡散力の両方を高めることができたと感じています。

二宮:例えば、村上隆さんとのコラボ商品についても、MLB発信の側面がありつつ、メディアにはファナティクス起点として情報共有ができました。

売上60億円超の成果と、企業認知の拡大

――MLB TOKYO SERIES 2025の成果について、どう評価されていますか。

栗栖さん:ビジネス面では大成功だったと思います。60億円以上の売り上げ達成し、新しいパートナーを探すというわたし自身のミッションを抱えている中で、「東京シリーズ、すごかったですね」とお声をいただくことが増えました。これは、サニーサイドアップさんが多くのメディアに働きかけてくださった結果だと感じています。

山名さん:SNSでの反応も大きく変わりました。フォロワーの増加に加え、投稿の初速の反応が一気に上がり、手応えを感じました。

栗栖さん:加えて、東京シリーズ以後の内定受諾率が100%という結果も出ており、採用面でも良い影響を受けていると実感しています。

――プロジェクト中のご苦労も多かったのでは?

栗栖さん:権利関係の調整が最も大変でした。関係者が多く、何がOKで何がNGかを一つずつ確認する必要があり、グローバル案件ならではの壁も多かったです。深夜に許諾が出て、その直後にニュースレターを配信、数分後にはメディアが記事にする、なんてこともありました。

山名さん:店舗オープン前は特にスケジュールの調整も頻発しました。店舗オープンが直前で延期されたり、コラボ商品の進行がずれたり。とにかく目まぐるしかったですね。そのぶん、毎日連絡を取り合っていたサニーサイドアップさんの存在は非常に心強かったです。あの時期はもう、毎日一緒にいましたね(笑)。

浅野:大会期間中はほぼ毎日現場で顔を合わせていましたし、リモート会議の回数も数え切れないほど重ねました。状況がどれだけ変化しても、お互いのタスクや役割を常に共有できていたからこそ、連携して乗り越えられたと思います。

二宮:朝8時の番組での急な取材に向けて、早朝にサンプル提供をお願いすることもありましたが、いつも快くご対応いただき助かりました。1日にスカイツリー、ミヤシタパーク、東京ドームの3拠点で取材が入った日もありましたが、連携しながら無事に乗り切れたと思います。

浅野:露出の量も、これまで手がけた案件の中では最大級だったと感じています。ここまでの露出が実現したのは、わたしたちとしても過去にない規模感でした。

二宮:わたしは、MLB TOKYO SERIESという非常に大きな──むしろ大きすぎるくらいのプロジェクトだからこそ、「絶対に多くの方に情報を届けなければ」という強いプレッシャーを感じていました。中途半端な結果では終われないと。もともと野球が大好きなので、その気持ちもモチベーションになって、最後までやりきることができたと思います。

山名さん:EC販売に関しても、これだけ大きく取り上げていただけたのは驚きでした。店舗がないぶんPRが難しいと感じていたのですが、ロゴ入りのスペシャルボックスを作って発送するという工夫を通じて、「メモリアルな体験」として伝えてくださったことで、結果的に多くの方にECの価値を届けられたと実感しています。

浅野:テレビメディアが求める“映像での映え”を意識しつつ、ECの話題をどう「伝えたくなるもの」にするか。その点を踏まえて、二宮がメディアとの事前調整を着実に進めたのが大きかったと思います。

「ファナティクスなら公式グッズが手に入る」というブランディングを強固に

――本当に密にコミュニケーションを取って、今回のプロジェクトを大成功に繋げられたんですね。今後はどのような取り組みをされていくのでしょうか。

山名さん:MLB TOKYO SERIESで盛り上がった熱量は、まだ確実に残っていると感じています。今後もグッズ販売を通じてスポーツを一緒に盛り上げていけたらと思います。ファナティクスでは、コアなファンだけではなく、日常的に着られるようなカジュアルアイテムも豊富に展開しています。こうした情報が、まだ十分には伝わっていない部分もあるので、今後もサニーサイドアップさんに伴走していただきながら、広く発信していきたいです。

栗栖さん:会社としては、今後さらに多くのパートナーと契約を結び、事業を拡大していきたいと考えています。今回の取り組みで、ファナティクスという企業の認知はかなり広がったとはいえ、まだ道半ばです。「ファナティクスに行けば、ちゃんと公式のグッズが手に入る」というブランディングを、より一層強化していきたいですね。

わたしたちは「ファナティクス・エクスペリエンス」という言葉を掲げていて、グッズを通じたファン体験の質を高めていくことを大切にしています。今後も、こうした体験をより多くの方に届けられるよう、サニーサイドアップさんと一緒に挑戦していけたらと思います。

浅野:まさにおっしゃる通りで、この盛り上がりを一時的なものにせず、継続的に価値を積み上げていくためには、プロモーションの積み重ねが欠かせません。グッズを軸にした体験価値を広げ、ファナティクスさんのブランド価値をさらに高めていけるよう、わたしたちも伴走していけると嬉しいです。

二宮:ファナティクスさんは本当に幅広いブランドやチームグッズを手がけています。今回のMLB TOKYO SERIESを通して、企業としての存在を知っていただけた方は増えましたが、「実際にどんな価値を届けているのか」までは、まだ伝えきれていない部分もあると思います。今後も、サニーサイドアップと手を組んだからこそ実現できたと思っていただけるように、取り組んでいきたいです。

 

今後もファナティクスでは、さまざまなスポーツのチーム公式グッズやイベントのオフィシャルグッズを展開し、忘れられないファン体験の創出に取り組んでいきます。サニーサイドアップも、スポーツを盛り上げるパートナーとして引き続き伴走してまいりますので、スポーツ観戦の際にはぜひファナティクスのグッズにご注目くださいね。

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