プランナー目線で受賞作をレビュー|PRアワード2025授賞式レポート
みなさん、こんにちは!コミュニケーションプランニング部の山口です。
先日時事通信ホールにて、日本国内のPR業界発展に向けて優秀なPR事例を表彰する「PRアワード2025」の授賞式が開催されました。
サニーサイドアップの取締役・松本理永も過去4年にわたり審査員の1人を務めた本アワード。
本記事では、その授賞式をプランナー目線でレポートします!
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PRアワードとは? 公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)が主催する本アワード。今年度は全98件の応募の中から、グランプリ1件、ゴールド1件、シルバー4件、ブロンズ4件、審査委員特別賞1件の全10件が選出され、昨年の応募件数である80件からますますの盛り上がりを見せました。 |
2025年のアワードにおいて重要視されたのは、単なる情報発信の手法としてのPRではなく、「思想としてのパブリックリレーションズ」だったそうです。
今回、具体的に審査の柱となったのは、以下の3つの観点。
- オーセンティシティ(必然性)
「自分らしさ」を持つ課題設定ができているか - マルチステークホルダーとの共創(対話によるうねり)
多角的に人々を巻き込み、成果につながる共創を築いたか - パイオニアシップ(覚悟)
これまでの常識にとらわれず、次世代のPR発展への先鞭となるか
この3つをもとに、プランナーであるわたしが特に気になった事例を、一緒に見ていきましょう。
1.グランプリ受賞『能登半島地震 命を守る災害対応リアルタイム広報』
まず取り上げたいのが、グランプリを受賞した本事例。
能登半島地震の被災者や県民に、必要かつ正確な情報をすぐに届けるために、行政がSNSや動画を積極的に活用し、戦略的に情報を提供。
また、「応援消費おねがいプロジェクト」のロゴマークを無料でダウンロードできるようにすることで、多くの人を巻き込み、日本中で能登を応援する後押しとなる取り組みも行いました。

情報をコントロールし、世の中を動かす力を秘めているPRは、災害時は特に大きな責任を持ちます。
状況によって変化する「災害時広報」において、情報を扱うわたしたちは、いつ・何を・どのように発信すべきなのか、学び、考え続けなければいけないのがわたしたちPRパーソンです。
そこに真正面から立ち向かい、地震を含む自然災害が多い日本において、非常に貴重なモデルケースとなったこの事例は、まさに「パイオニアシップ(覚悟)」という観点で勉強になる点が多くありました。
画像参照元:https://prsj.or.jp/case-study/grandprix2025/
2.ゴールド受賞『道頓堀 金龍のしっぽプロジェクト』
次に紹介するのは、ゴールドを受賞した、大阪・道頓堀にある金龍ラーメンの立体看板をめぐる事例です。
2024年8月、龍の尾が隣接地にはみ出ていることがきっかけで、“しっぽ部分”が撤去されることになりました。
多くの地域住民に愛されてきた龍だけに、撤去に関して賛否両論が巻き起こります。決してポジティブとは言えない出来事を、「金龍のしっぽはどこへ行くのか?」という問いを物語化。
単にはみ出たしっぽを切るのではなく、切ったしっぽに断面のデザインを施し、龍に涙の装飾、そして隣接するカニの立体看板へのしっぽの設置などのアイデアを、立体看板制作会社や、かに料理店とのコラボレーションによって実現しました。
これらの展示やSNSでの発信を通じて、地元住民や観光客を巻き込み、笑いと共感のあるコミュニケーションへと転換しました。

本来であれば、批判や対立に発展してもおかしくないテーマを、「笑い」という文脈に引き戻し、 “合意形成の場”として設計した点が非常に印象的です。
正しさや説明責任だけで押し切るのではなく、ユーモアを媒介に対話につなげる。地域、企業、生活者というマルチステークホルダーを自然に巻き込み、「対話によるうねり」を生み出したこの事例は、まさにPRならではの取り組みだと感じました。
画像参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000096.000043449.html
今回のPRアワード2025を通して強く感じたのは、世の中の理解としても“PR”が「伝える技術」から「社会との向き合い方」へと、確実に正しく進化しているということでした。
正解のない課題に対して、覚悟を持って踏み出し、人と人の関係性を編み直す。
そんなPRの力と可能性を、改めて実感する授賞式でした。
何に向き合い、誰と対話し、どんな未来をつくりたいのか。
一人のPRプランナーとして、PRアワードで感じた問いを常に意識しながら、これからも、たのしいさわぎでGOODなインパクトを起こしていきたい。そんなことを考えた受賞式でした!



