ドバイ万博(EXPO 2020 Dubai)行ってきた 【前編】~ドバイ万博とは~
はじめに
万博という5年に1度の国際的なイベントがドバイで行われているとのことで、現地ではどのようなイベントが行われているのだろうか?国際イベントの現時点を把握するべく、我々サニーサイドアップ調査隊は、ドバイの奥地へと向かった…(実際にはドバイ万博会場はドバイ国際空港からタクシーで約3,40分と、そこまで奥地ではないです)
本ブログでは、ドバイ万博調査隊の亀山から、前後編に分けてドバイ万博のレポートをさせていただきます。前編は万博に関する基本情報まとめから、ドバイ万博や日本館についてご紹介。後編は日本館以外のパビリオンや、万博グルメなどをレポートしていきます。後編はこちら!
ドバイ万博(EXPO 2020 Dubai)行ってきた 【後編】~感動パビリオン3選~
■万博(国際博覧会)とは
■ドバイ万博(EXPO 2020 Dubai)とは
■人気パビリオン ドバイ万博 日本館に潜入!
■次の万博は…
万博(国際博覧会)とは
万博とは
国際博覧会条約という国際条約に基づいて、正式に博覧会事務局(BIE)に登録又は認定されたもの。「国際博覧会条約」によれば、国際博覧会とは、「二以上の国が参加した、公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう」とのこと。
参照:外務省サイト
少し堅めの説明ですが、平たく言うと、各国の技術力や文化・歴史を世界にアピールする場になります。
万博の歴史
1851年、ロンドンのハイドパークで開かれた「第1回ロンドン万国博覧会」が、国際博覧会の始まりになります。日本が初めて国際博覧会に出展したのは、1867年(慶応3年)の第2回パリ万博のようです。日本で初めて開かれたのは、大阪万博(昭和45年:1970年)で、ブログ読者のみなさまの中には参加された方はいらっしゃいますでしょうか?参加されてなくとも、当時のシンボル・タワーであった「太陽の塔」や、「万博記念公園」を通してご存知の方もいるかと思います。
画像出典:太陽の塔オフィシャルサイト
次に開かれたのは、2005年愛知で行われた”愛・地球博”です。テーマは「自然の叡智」で、公式キャラクターは「モリゾー・キッコロ」。120を超える国々と2,200万人の来場者が参加した万博となりました。
ドバイ万博(EXPO 2020 Dubai)とは
※コロナの感染拡大を受け、1年延期となり2021年10月1日に開幕。2022年3月31日をもって閉幕しました。
テーマ:“Connecting Minds, Creating the Future”(心をつなぎ、未来を創る)
サブテーマ:「Mobility/モビリティ」「Opportunity/機会」「Sustainability/持続可能性」
史上最多192か国が参加。会場の広さは438ヘクタールと、東京ドームに例えると93個分、東京ディズニーリゾートの2つのパーク合わせた広さの20倍です!!公式テーマソングは英語で映像がカッコ良く、また、男性と女性の歌手のデュオなのは、男女差別がないようにと多様性を意識した人選なのでしょうか。
ドバイ万博 会場MAP
大きく5つのエリアに分かれており、その中の3つがサブテーマに準ずるモノとなっております。
・Jubilee
・Mobility(サブテーマ)
・Sustainability(サブテーマ)
・AI Forsan
・Opportunity(サブテーマ)
このエリア内に各国の展示会場(パビリオン)や、開催国が掲げるテーマに即したパビリオン、スポンサー企業のパビリオンが並びます。大きなパビリオンについては、一つの美術館の展示ぐらいの規模感をイメージしてもらえればと思います。(下図、イタリア館)
小さいパビリオンは小さめのアートギャラリーのような一部屋だけのスペースといった感じです。(下図、モザンビーク共和国)
ドバイ万博 最寄り駅
ドバイはバスもメトロも走っているのですが、万博会場へのアクセスには最寄駅から歩いて数分ですので、メトロが便利でした。その最寄り駅はExpo 2020 stationですが、帰りの駅で日本でいうSuicaのようなカードにチャージしようとしたら、これだけの行列でした。
日本では電車が駅に着いたら、電車から降りる人優先で人の出入りがありますが、ドバイはそのようなルールはないようでした。駅に電車が着いた途端、乗り込もうとする人達が走り出し、空いている席の取り合いが始まりました。その光景を見て、“ドバイの通勤ラッシュ時は大変そう…”、日本はまだ暗黙のルールを守る協調性のある国民性だと感じました。
ドバイ万博 会場入り口
万博会場への入口は、Expo 2020 stationの正面だけではなく、もちろん他にも駐車場からの入口などがありました。駐車場に自家用車を停めても、そこから更にバスに乗って入口に向かうという会場の広さに衝撃を受けました。入口付近には参加国の国旗が掲げられていました。これだけ多くの国旗が並ぶ光景はいいですね。ドバイという場所柄、世界中のどのエリアからもアクセスしやすいというところも要因の一つですが、ドバイ万博公社が経済力に余裕のない国についてはパビリオン出展をサポートしていたことも大きな要素として考えられます。
入口のゲートはこちらです。なんとも巨大な、そして斬新なデザインのゲートです。多くの人がここで撮影をしていました(こちらのみならず、会場のあちこちが映えスポットでしたが)。
ドバイ万博 会場内装飾、休憩スペース
一番の目玉は会場中心に位置するドーム型の広場「Al Wasle Plaza(アルワスルプラザ)」です。広場にそびえたつアルワスルドームは世界最大級の直径約130mもある360゚スクリーンで、ドーム壁面内側にはプロジェクションマッピングをした演出が夜に行われています。
気温が高く日差しも強い気候だからこそ、会場内を移動する通路の上部には屋根が付けられ、熱中症や日差し対策がきちんとされていました(暑い日は40度を超えることも!)。
休憩するためのベンチはこんなデザインのものがありました。こちらはアラビア語の文字を模したベンチのようで、UAEの文化がこのように表現されているのは面白いですよね。※ドバイはUAE(アラブ首長国連邦)の7首長国の1つです。UAEの首都はアブダビ市で、ドバイ市は最大都市になります。
このような休憩スペースがいくつも設置されており、子連れのファミリーもゆっくり腰を落ち着かせる場所が散見されました。
ちゃんと、記念撮影スポットも用意されておりました。ここでは電車とは違い、きちんと行列が出来ていました(笑)
人気パビリオン ドバイ万博 日本館に潜入!
日本館テーマ:アイディアの出会い“Where ideas meet”
永山祐子氏(永山祐子建築設計主宰)がデザインを設計し、“訪れる人が日本と中東のつながりを感じることができる”建築デザインコンセプトとなっているようです。
多くのパビリオンは館内を自由に歩き回って展示物を鑑賞できるのですが、日本館はアテンドスタッフと共に、グループで館内を回っていくツアー形式のものでした。それにより、1日の参加できる人数に限りがあるため、予約制が途中から採用されたようです(予想以上の行列ができてしまったために)。あまりの人気から、当日の整理券は毎日オープン直後に売り切れる状況となってしまったようです。さすがの日本館です。
ツアー形式ということで、日本館に入るとスマートフォンが配布され、スタッフの方からガイダンスが行われました。スマートフォンの使い方から、日本館の楽しみ方について説明を受けます。
いよいよ、日本館ツアーがスタートです。自分は「ギンバイソウ」という植物が割り振られたようです。
まずは、濡れないミストが漂う中(暑い気候のドバイへの配慮だったと思います、さすがのおもてなし)、大きなスクリーンに投影された日本の文化(アニメ、和、四季など)を表現した映像を視聴します。
その後、4つの出口に四季が投影され、各自好きなルートを選択します。行きつく先は同じ部屋ですが、選択した季節のキャラクターがスマートフォンに映し出されます。そして、部屋中を自由に歩き回ることを指示され、キャラクターを成長?させていきます。ただの静的・一方通行な展示ではなく、動的・インタラクティブな展示がとてもユニークなパビリオンでした。
次の部屋は、SDGsについて考えさせられる田中達也さんのミニチュアセットがドーム内に展示されているものでした。日本の技術力のアピールという目的もあったかもしれません。
次の部屋は、自然環境・食物連鎖・生態系の破壊を、人間が森林伐採やマイクロプラスチックなどによって引き起こしていることを再認識させられる映像が投影された展示でした。
日本館のストーリーのある展示、最後の部屋は、中心に大きな地球が投影された立方体のある部屋でした。各自地球を背にして壁側を向くと、最初に割り振られた植物が目の前に投影されます。恐らく、スマートフォンの位置情報や端末情報を認識して、投影する映像を調整しているのかと思われます。
その後映像を見ていると、壁面に4色に分けられた植物が映し出されます。この4色は最初に各自が選択した四季に合わせられているのだと思います。リズムに乗って会場内を動き回ることを指示されますが、自分の動きに合わせて壁に投影されている植物もついて来ます。そして、色ごとに集まるように指示され、“We are blue color. Yeah!!”、“Whoooooooo!!!!”のようなテンションで参加者は楽しみます。そして、壁の映像の位置が動いていくので、それに各グループがついていくように会場内を動き回ります。最後は、中心の地球に映し出された映像を見て終了です。
約30のパビリオンを回りましたが、ここまでインタラクティブな展示は日本館がトップでした。また、テーマである「アイディアの出会い」も展示内容から感じ取れました。それに何といっても、この”一期一会”の体験を生むツアー形式は、参加者にとって印象に残るものだったかと思います。だからこそ、口コミでも話題になり、行列を生み、なかなか予約がとれないパビリオンになったのだと。
最後のセレモニーでは、日本館が展示部門でゴールドを受賞しました。この展示内容・形式だから得られた賞ではないでしょうか。関わってはいないのですが、日本人として勝手に誇らしい気持ちになりました(笑)
次の万博は…
次の万博は、2025年大阪・関西万博です!ドバイ万博の日本館でも最後の展示は、大阪・関西万博に関するものでした。
展示にもあるように、大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン/DESIGNING FUTURE SOCIETY FOR OUR LIVES」です。いのちをテーマにした万博が日本で開催されるようなので、そちらも楽しみですね!
次回ブログのはみ出し告知
次回、後編は下記についてレポートしていきたいと思います。
-万博グルメ
-個人的に感動したパビリオン3選
-会場内コンテンツ
-ドバイ市内観光 などなど
次回以降のブログも、他のメンバーのブログも、ぜひぜひお楽しみにしてください!(もちろん、過去記事を見逃している方は、必ずチェックお願いします!!)