【東ハト×サニーサイドアップ】中田英寿のCBO就任、「暴君ハバネロ」のPR攻勢…。20年を超えるパートナー関係の軌跡
「キャラメルコーン」や「暴君ハバネロ」など、多様な商品で消費者を楽しませ続ける東ハト。2003年に社会的な関心を集めたサッカー選手・中田英寿のCBO(最高ブランディング責任者)就任プロジェクトを皮切りに、サニーサイドアップは20年以上にわたりPRコミュニケーションでの支援を続けています。
※中田英寿CBO 2016年退任
今回は、東ハトの丸山和浩常務取締役と、同社を担当しているサニーサイドアップの功能朋子の対談インタビューをお届けします。両社の間で深い信頼関係が築かれるに至った経緯と、パートナーとしてのサニーサイドアップにどのような期待が寄せられているのかを語っていただきました。
「再生の象徴」として現れた中田英寿
――東ハトさんとの伴走は、中田英寿のCBO就任の時期から始まりました。
丸山さん:経緯をお伝えすると、東ハトは2003年に民事再生法の適用を受けました。ある日突然「会社が潰れるらしい」と聞かされ、オフィスは騒然となったわけです。取引はままならなくなり、わたしはそのときに「東ハトは、ブランドとして終わってしまった」と覚悟しました。

東ハト 丸山和浩常務取締役
そこに現れたのが、中田英寿氏でした。会社の再生に向けたやり取りのさなか、「中田氏が東ハトの役員に就任する」と聞きました。サニーサイドアップが「企業再生の象徴」として就任のプロジェクトを企画したことは、後で知りました。
——驚いたのではないですか。
丸山さん:最初は驚きましたね。いきなり「紹介したい人がいる」と言われて、会議室に入って来たのが中田英寿その人でしたから。わけもわからず握手をしたことを覚えています。ただ、彼自身は東ハトのお菓子に対して非常に強い思い入れを持っていましたし、生産現場を重視し、消費者第一に考える姿勢も、東ハトのスタンスと重なるものでした。
彼の与えた影響は大きかったですね。社会からの関心の高まりを受け、意気消沈していた社員たちも活気を取り戻しました。当時はサッカー選手としても現役でしたから、わたしたちのCBOが世界と戦っている背中を見て、再び前を向くことができたのです。
功能:当時、中田が工場を視察し現場と交流する様子は、雑誌の表紙も飾りました。会社のブランディングや発信力の強化にとどまらず、丸山さんのおっしゃるように、社員の誇りやモチベーションにも繋がったと聞いています。

中田英寿執行役員就任及び東ハト再生の特集をした『GQ JAPAN』 2004年2月号では東ハト・関東工場で社員のみなさまと中田の記念撮影が表紙を飾った
現役のトップアスリートを「広告の顔」ではなく「企業の役員」に就任させたこのプロジェクトは、ほとんど前例がない取り組みでした。サニーサイドアップ内では、今でも再生PRの成功事例として語り継がれています。
開発力とPR視点をかけ合わせ、支持を広げる
――再生のさなか、「暴君ハバネロ」などのヒット商品も脚光を浴びました。
丸山さん:暴君ハバネロは「世界一辛い食材を使ったお菓子」という発想で開発されました。そのなかで、サニーサイドアップの担当者は「ギネスブックに載っている(=世界一辛い唐辛子)のが面白い」「大々的に打ち出しましょう」と言ってくれました。
暴君ハバネロは2003年に発売され、会社の再起をかけた商品のひとつでした。サニーサイドアップによるPR攻勢もあり大ヒットを記録し、流行語大賞にノミネートもされました。「ものすごい勢いだな」と感じたことを覚えています。
功能:2005年には受験応援商品として、願い事を“叶える”キャラメルコーンの「カナエルコーン」が誕生しました。既存の商品に新しい意味を与え、支持を集めました。こちらも東ハトさんの開発力と、わたしたちのPR視点がうまく掛け合わさった事例です。

サニーサイドアップ 5局 功能朋子
――最近はどのような取り組みをされているのでしょうか。
功能:わたしは2017年から担当していますが、特に2023年の「ポテコ・なげわ」の発売50周年を機に、8月8日を「ポテコなげわの日」として制定したプロジェクトが印象に残っています。日本記念日協会の認定も受け、サンプリングのイベントを始めました。

社員のみなさんが部署横断で参加し、今では”風物詩”的な催しとなりました。社会への発信だけでなく、社内の一体感の醸成にも貢献できたのは、わたしとしても一つ大きなポイントだったと感じています。

丸山さん:今も現場ではほぼ毎日やりとりしているのですが、サニーサイドアップのみなさんと話す東ハトの社員は実に楽しそうなんです。「社会にインパクトをもたらすには、現場が元気でなければいけない」ということを体現されていると感じますね。
「未来につながる仕事がしたい」
―—東ハトさんにとって、サニーサイドアップはどのような存在なのでしょう。
丸山さん:単なるPR会社というより、「共創パートナー」だと思っています。市場環境や戦略をよく分析・検討するだけでなく、サニーサイドアップの場合、そこにわたしたちの考え方や価値観といった「情緒」的な部分まで理解して寄り添ってくれていると感じます。

具体的に言えば、わたしたちは食品を扱っている以上「安心・安全」は外してはいけない。しかし東ハトらしい「ユニークさ」、お菓子の醍醐味である「ワクワク・ドキドキ」もお客さまに届けたいんです。PRを「打ち上げる」ことが得意な会社は多いですが、サニーサイドアップは、リスク面へのケアを含む「攻守」をともに目配せしてくれる。その点が大きな特徴だと思っています。
―—東ハトさんを支援するときに、意識されているポイントは何でしょうか。
功能:「社員主体の取り組みが、そのままブランドの姿になる」という点が東ハトさんの魅力なので、そこを最大限引き出すことですね。
たとえばコロナ禍でお菓子のアレンジレシピを活用したPRに取り組んだ際には、社員の方々から「意外性」や「楽しさ」にあふれたレシピがさまざま考案され、消費者に届けることができました。社員のみなさんが「お客さんの反応を知りたい」と考えてPRに興味を持っていることも、うまく施策が機能している要因の一つだと思います。
——20年という長期にわたって関係が続いた理由を、どのように考えていますか。
丸山さん:たしかに、企業と企業が長く付き合うのは簡単なことではありません。わたしたちの関係が20年続いてきたのも、「一過性の話題づくり」ではなく、「未来につながる仕事」という価値観を共有してきたからこそではないでしょうか。中長期的な目線に立てるところが、サニーサイドアップのみなさんの魅力だと思います。
――今後の抱負を、それぞれ教えてください。
功能:東ハトさんとご一緒して感じるのは、PRは単なる広告の補助線ではなく「事業成長の核」だということです。今後も「企画力」と「世の中との接点づくり」を通じて、社会に“楽しさ”を届け続けたいと考えています。

丸山さん:東ハトは現在、高い成長率を維持しており、生産ラインの増強に着手しつつ、海外展開なども見据えています。「お菓子を通じて驚きと笑顔を生み出し、広げていく」という原点を大切にしながら、唯一無二のブランド価値を築きたいと思っています。
そのなかでサニーサイドアップに期待しているのは、わたしたちが誇りをもって届ける商品の価値を社会に広げ、人々の共感と行動に結びつけてもらうことです。これからも常識にとらわれず、新しい市場や価値を切り開いていくパートナーであり続けてほしいと願っています。

サニーサイドアップはさまざまな商品・サービスのPR・コミュニケーションを手がけています。
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