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【森ビル×サニーサイドアップ】世界に選ばれる東京を目指した“街づくり” そのスタートの裏側に迫る!

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伊藤 美咲(SUNNY DAYS オフィシャルライター)

2023年10月より順次開業した超高層タワーの複合施設「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」と、2023年11月にオープンした新しい複合施設「麻布台ヒルズ」。

両者の開業事業を推進した森ビルは、東京・港区を拠点として都市再開発事業を手がけています。そしてサニーサイドアップでは、両施設の開業PRを担当させていただきました。 

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー

麻布台ヒルズ

今回は大反響を呼んだ虎ノ門ヒルズ ステーションタワーと麻布台ヒルズの開業までの裏側について、森ビル株式会社 文化事業部 広報 / プロモーショングループ 松島 義尚さん、タウンマネジメント事業部 TMマーケティング・コミュニケーション部 秋葉 千恵さんと、サニーサイドアップのパブリックリレーションズ事業本部の岩崎、鶴薗、齋藤の5名でクロストークを実施しました。

地域の課題を解決すると同時に、東京の国際競争力を上げる街づくりを

ーーまずは松島さん、秋葉さんより麻布台ヒルズ・虎ノ門ヒルズエリアの再開発に至った経緯について教えてください。

秋葉さん:麻布台ヒルズのエリアは、もともと小さな木造家屋や小中規模のオフィスが密集した地域だったんです。防災や交通の課題を多く抱えていたこともあり、その問題を解決すべく、地元の方々にお声がけをしながら再開発に至りました。また、再開発において、エリアの課題を解決することに合わせ、東京の国際競争力を上げることも重要な目的に掲げたプロジェクトでした。

一方で虎ノ門ヒルズは、過去の再開発でビルがすでにいくつか建っていたエリアに対し、再々開発していくプロジェクト。先んじて開業した森タワーやビジネスタワーの建設を経て、満を持して最後の4棟目となるステーションタワーの開業に至りました。ステーションタワーは、段階的な開業の大トリのような立ち位置でしたし、地下鉄駅との一体開発という意味でも意義のあるプロジェクトでした。

松島さん:虎ノ門ヒルズ駅は、メトロの駅で初めて駅前広場を持つ駅なんですよ。これは駅と街の一体開発だからこそ、ここまでの規模で進行できたと思っています。

ーー各施設の概要やコンセプトも教えてください。

秋葉さん:麻布台ヒルズのコンセプトは、“緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街 – Modern Urban Village” 。このコンセプトを支える二つの柱として「Green&Wellness」を掲げています。このコンセプトはコロナ禍前から掲げていたのですが、コロナ禍を経て健康や自然に対する関心が高まったことで、より時代にマッチしたコンセプトになったのではないかと思っています。

虎ノ門ヒルズは、丸の内と渋谷の中間に位置し、霞が関に隣接している、また臨海地域との結節となる東京BRTの拠点になっていたりと、東京の玄関口とも言える場所。「グローバルビジネスセンター」というコンセプトを掲げ、国内外のビジネスプレイヤーが仕事だけでなく、住んだり遊んだりする環境に選んでもらえるような、オールインクルーシブな街としています。

サニーサイドアップの圧倒的な熱量と経験が依頼の決め手に

ーー森ビルさんがサニーサイドアップとお仕事をすることになったきっかけは何ですか?

松島さん:もともと麻布台ヒルズと虎ノ門ヒルズ ステーションタワーは時期をずらしての開業を予定していたのですが、さまざまな調整を行うなかで、近しい時期にオープンすることになったんです。両施設のPRをまとめて依頼できる企業を探す中で、サニーさんに「ぜひコンペに参加してほしい」とお声がけさせていただきました。

岩崎さん:コンペには、僕や鶴薗を含めた4名で参加させていただきました。僕はこれまでにも施設開業のPRを担当してきて、スキルだけではなく、心から楽しめる姿勢や精神力も大事であることを痛感したんですよね。そのため、コンペの提案の時点から社内体制にはかなり力を入れて、選りすぐりのメンバーを揃えました。

ご提案のときには、僕らの圧倒的な経験とポジティブに捉えられるマインド、そして体力があることを全面にお伝えしたのを覚えています。

秋葉さん:サニーさんのご提案を聞いたときに、「熱量がすごいな」と思いました。ここまでの高い熱量が伝わってくる企業は、今まで出会ったことがなかったです。「仕事だから」ではなく純粋に「やりたいんです」という前向きな気持ちを感じたので、ぜひご一緒させていただきたいなと思いました。

松島さん:わたしは過去に六本木ヒルズをはじめとする数多くの施設の開業に関わってきた経験から、PRに一番必要なのは熱量だと実感していました。また、施設とPR企業は対等な関係であるはずなので、お互いに厳しい意見も言うし、困っているときは助け合えることを重要視しています。過去のお取引の実績からも信頼がありましたし、ご提案時から高い熱量を感じていたので、ぜひお願いしたいなと思いました。

岩崎:ありがとうございます!

松島さん:岩崎くんがご提案時に「体力がある」と言ってくれましたが、すごく大事な要素ですよね。大規模施設の開業こそ、最終的に体力や手数の勝負になってきます。数百名が参加する規模のプレス内覧会を実施する上でも、必要な体制を組めるというのはとても大事なこと。ご提案いただいた体制の厚さも決め手のひとつになりました。

齋藤さん:そう言っていただけるのは嬉しいですね。

ーーサニーサイドアップチームはどんな提案をしたのでしょうか?

岩崎さん:麻布台ヒルズと虎ノ門ヒルズを別々に発信するのではなく、新しい2つの施設ができることで東京の街のあり方が変わっていく様子や、麻布台ヒルズや虎ノ門ヒルズのエリアが東京の中心になっていく流れをPRコミュニケーションのテーマとしました。両施設の担当メンバーが連携をしながらプロモートし、理想の露出を獲得していくことをご提案させてもらいました。

鶴薗さん:まず大前提として、「両施設が単なる商業施設ではなく、街全体を作るものである」というのは伝えていかないといけない部分だなと考えていて。また、虎ノ門ヒルズ単体としても段階的な開業だったので、そのストーリーを知ってもらう必要がありました。メディア内覧会においての提案でも、ツアー形式にして新たに開業するステーションタワーだけではなく、森タワーやビジネスタワーにある既存施設も含めた複数のスポットを巡回できるようにした点も一つポイントだったと思います。

ただの施設紹介ではなく、森ビルの理念を伝えるPRを徹底

ーーPR施策を実施する中で、印象的だったことを教えてください。

齋藤さん:麻布台ヒルズの記者会見では、ありがたいことに約700名の方に集まっていただくことができました。ただ、この大人数のオペレーションをするのは初めてだったので、正直すごく不安だったんです。案内順などを何度も頭の中でシミュレーションをしていたのですが、前日は眠れなかったですね(笑)。

岩崎さん:絶対に失敗するわけにはいかなかったし、かなり緊張感がありましたよね。

松島さん:麻布台ヒルズはずっとメディア取材を断っていたので、記者会見が初のお披露目だったんですよね。注目度もかなり高まっていたと思います。

秋葉さん:建物の構造上、複雑なオペレーションだったので、こちらでも万が一の際のバックアッププランを用意していたのですが、不要でしたよね。齋藤さんがスムーズに仕切っている姿を見て、感心していました。

岩崎さん:麻布台ヒルズの記者会見のすぐ後に、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの内覧会もあったんですよね。各施設の魅力を伝えつつも、森ビルとしての取り組みの姿勢も出していくことを意識していたんです。さらにメディアの方々に次の取り組みやビジョンも伝えることで、情報を途切らせないような戦略を立てていました。

鶴薗さん:最初にカレンダーを広げて、全体のスケジュールを組み立てましたよね。メディアの方にも「次はこれがあります」「ここではこんな取材ができます」と次のアクションをわかりやすく伝えることで継続的な露出を狙っていきました。

ーー取り組みを進める中で、困難だったことはありますか?

秋葉さん:麻布台ヒルズの森JPタワーは高さが330mで、現在日本一高いビルとなりましたが、日本一の高さにすることを目的に建てたわけではありません。あくまで目的は広大な緑地を作ることであり、足元の地面を空けるための手段として、建物を縦に積み上げた結果の高さです。なので、日本一の高さであることを売りとしてメディアに取り上げていただくのは本意ではありませんでした。高さについて紹介するときには、必ず「広大な緑地を作るため」という説明をセットで出していただくことを徹底していました。これは難しかったところではあるのですが、結果的にわたしたちの理想通りの露出に繋がったのはすごく良かった点でもあります。

齋藤さん:露出の仕方で言うと、メディアの方とお話しする際は「商業施設ではなく街を作っている」と伝えることを意識していました。魅力的なテナントさんが多いのでお店を紹介するだけでも記事になるのですが、それだと森ビルの理念が伝わらないので。サニーサイドアップのチーム内でも森ビルの理念を共通認識とした上で、メディア露出を獲得していきました。施設やテナントの情報を徹底的にインプットした上で、ひとつのチームとして動けるコミュニケーションやマネジメントも意識していました。

岩崎さん:麻布台ヒルズも虎ノ門ヒルズ ステーションタワーも、ただメディア露出を狙うだけでなく、思いや理念を軸にすることは徹底していましたよね。記者会見や内覧会の日にスポットで入ってもらうサニーのメンバーにも事前に一度施設に来て空気感を肌で感じてもらうことで、当日のスムーズな動きに繋げられたのではないかと思います。

松島さん:資料だけでは伝わらないものがあるので、実際に来ていただくことはとても大事ですよね。

内覧会は1,200名が来場、連日各局のテレビ露出も獲得

ーー施設の開業にあたって、周りからの反響はいかがでしたか?

秋葉さん:麻布台のメディア内覧会には、国内のみならず多くの海外メディアを含め、約1,200名の方に来ていただきました。すごい人数ですよね。森ビルとしてもここまで多くの方にお越しいただくことはなかったので、思わず身震いしました。メディアの方々からも「こんなに人が集まる内覧会ってないよね」とたくさんお声がけいただきました。サニーさんにプロモート活動に力を入れていただいて、感謝しています。

松島さん:1,000人以上の人がいても施設内は全然混雑している感じがしなかったので、「麻布台ヒルズって広いんだな」と改めて思いましたよね。(笑)

秋葉さん:メディア露出では特にテレビが多く、各局で連日取り上げていただきました。わたしが約8年広報を担当していた中で、ダントツ1位の露出量でした。さらに量だけでなく、質もしっかりしていたので本当にパーフェクトな結果だったと思います。一般のお客様はもちろん、広報業界からの反響もたくさんいただきました。

齋藤さん:わたしが今まで担当させていただいた案件の中でも、圧倒的な露出量と知名度になったと思います。別の案件でコンタクトをとったメディアとも必ずと言っていいほど話題に上がりますし、プライベートでも親戚の集まりで「(TVや新聞で)見ない日はないね」と言われるほどで、自信に繋がりました。

松島さん:オープンの瞬間のPRは、麻布台ヒルズも虎ノ門ヒルズも非常にうまくいったと思います。ですが、わたしたちは街を作ったので、この盛り上がりを継続的にすることが大事なんですよね。オープン1年目に仕込んだことが未来に繋がっていくので、これからが勝負かなと。お客様が「ここに来れば楽しいことがある」と足を運ぶ仕組みを作っていくことが課題になると思います。

ーー最後に、サニーサイドアップと一緒に取り組みを実施した総合的な感想を聞かせてください。

松島さん:PRパーソンは物を売る前に自分を売ることも大事なので、個性的なサニーさんのメンバーと出会えたことは非常に良かったなと思います。

サニーサイドアップ一同:ありがとうございます!

秋葉さん:コンペの時に感じたサニーさんの熱量は、ずっと変わらなかったなと思います。むしろ高まっていったというか。タイトなスケジュールの中で難易度の高い要望を出してしまったこともあったのですが、「できない」と言われたことは一度もなくて。実現する方法をすぐに考えてくださる姿勢は、本当に素晴らしいなと思います。

それと、サニーさんのチーム体制が完璧でした。岩崎さんと鶴薗さんがリーダーとしてタスクとスケジュールを把握した上で、PRポイントもしっかりと抑えていて。チームメンバーに任せつつも、しっかりとアドバイスやサポートしている姿を見て、マネジメント能力の高さを感じました。わたし自身もすごく勉強になりましたし、ご一緒できて良かったなと思います。

松島さん:工事などの外的要因でスケジュールが何度もずれてしまったり、情報量が多くインプットが多かったりと大変だったと思いますが、パートナーとして何度も一緒に山を乗り越えてくれました。本当にありがたく思っています。

岩崎さん:僕らを信じていただいた気持ちを裏切らないように、全力を尽くせたかなと思います。また、今年6月には全社プロジェクトを表彰するアワードで優秀賞をいただくことができ、会社としても前期を象徴するプロジェクトの一つになりました。本当にありがとうございました。

森ビルとサニーサイドアップが高い熱量を持って挑んだ、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーと麻布台ヒルズの開業のPRプロジェクト。両施設が起点となって繰り広げられる東京の街づくりにも注目です。

サニーサイドアップが手がけた他プロジェクトの記事は、こちらをご覧ください。

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伊藤 美咲(SUNNY DAYS オフィシャルライター)

フリーランスのライター。インタビュー記事やイベントレポート、コラムなどの執筆を手がける。ジャンルはエンタメ、旅行、食、ビジネスなどあらゆる領域を担当。音楽と紅茶と焼き菓子が好き。

※所属は執筆時と異なる場合があります

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