1,000台限定販売の「Hotaru」と日本の伝統的な美意識の融合。オーディオテクニカの哲学 「analog ~ naturally」を五感で体験するイベント「Garden of temporal traces」in ニューヨーク|行ってきました

こんにちは!パブリックリレーションズ事業本部 8局の金井です。
大平修蔵さんとともに参加したミラノデザインウィーク2025のレポートの続編として、今回はオーディオテクニカの最新イベントをアメリカ・ニューヨークよりお届けします。
サニーサイドアップでは、本イベントにあわせてアメリカ在住の現地インフルエンサーを招致・アテンドし、SNS発信を通じて情報拡散をサポートしました。
先日、2025年8月22日と23日の2日間、ニューヨーク・チェルシー地区にある「Studio525」で開催された、オーディオテクニカのサウンド・インスタレーションイベント「Garden of temporal traces」において、サニーサイドアップでは、アメリカ在住の現地インフルエンサーを招致・アテンドし、SNS発信を通じた情報拡散をサポートしました。
現地で目にしたのは、一般的な製品発表イベントとは一線を画す、まさに五感で体験するアート作品でした。今回は、その感動の瞬間をみなさんにお届けしたいと思います。
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日本の伝統的な美意識に触れる「Garden of temporal traces」
今回のイベントの主役は、イタリア・ミラノで「ミラノデザインウィーク2025」が開催された2025年4月に公式に公開されたばかりの、限定版ターンテーブル「Hotaru」です。
その名前が日本語で「蛍」を意味するように、イベント全体が「移りゆくもの、静けさ、自然との調和」といった日本の伝統的な美意識に深く根ざしていました。
前回のミラノでのインスタレーションと同様に、オーディオテクニカの「analog~naturally」という哲学をアウトプットする上で、核になるコンセプトは、「音を空間全体で感じ、音楽体験そのものを視覚化する」こと。
会場内には、複数の「音のレイヤー」が織りなす繊細なインスタレーションが配置されていました。来場者は、その空間を進む中で、まるで自らが音の構成要素の一部になるような、唯一無二の体験をすることができます。
空間を織りなす5つのインスタレーション
会場には「Hotaru」を中心に、五感を刺激する様々なインスタレーションが点在していました。それぞれ役割が異なっており、今回のサウンドスケープを構成する主要な要素となっていました 。
0. 外界 (The outside world)
今回のテーマである茶室は「非日常空間」と呼ばれます。外界の権威や社会性を遮断する「小宇宙」でありながら、同時に「無限に開かれた場」でもあります。本展示ではニューヨークのさまざまな自然音や街の喧騒を取り入れることで、外界との融和も図っていました。
1. 露地 (The Pathway ”Roji”)
茶室へ導く小径を「露地」といいます。ここは俗世と清浄な世界を隔てる結果であり、自然と歩みを緩め、心を静めるために設計されています。来場者が無意識に刻むこの足音も、音楽の一部として記録されていきました。
2. 盛砂(The Mound of sand)
盛砂は「清め」のしるしであり、客人を迎え入れる縁起物ともされます。また、常に形を変える自然の縮図としても捉えられます。本展示では、この継続的でゆらぎのある存在を、僅かなノイズとして空間に響かせていました。
3. 円形の水(The Circular Water)
茶庭における「蹲踞(つくばい)」は身体を清めるためのものです。円形の水面は鏡を意味し、心を映し出し、茶道の精神である「和敬清寂(わけいせいじゃく)」を体現します。水滴が落ちる音は、整わないからこその美を肯定する「不均斉」や「侘び寂び」の思想を映し出し、自然の美を示していました。
4. 鐘 (The Bell)
茶庭には「喚鐘(かんしょう)」と呼ばれる、客を招き入れるための鐘があります。西洋的な「時間=均質な連続」ではなく、日本的な「時間=節目の連なり、場の切り替え」という考えを象徴し、「今この瞬間」を際立たせ、不可逆二度と戻らない時間を表しています。
5.メインの茶室とHOTARU (The Main Tea Room and HOTARU)
茶室の内部は、特別な音体験が生まれるよう音響設計がされています。外界の音を完全に遮断するのではなく一部取り込むことで、一期一会の時間を紡ぎます。来訪者や演奏者の存在によって音楽は絶えず変化し、中央に置かれた「HOTARU」は、単なる再生装置ではなく、茶の器のようにあらゆる要素を媒介する存在として鎮座していました。
その場で記録される「時間の痕跡」
このイベントの最も感動的な点は、この唯一無二の音の体験を形として持ち帰れることでした。ここまで来場者が体験し、また無意識に生み出してきた音は、オシロスコープにより可視化され、会場の奥にある3台の「カッティングマシン」によりレコードへリアルタイムにカッティングされます。
来場者が本イベントでの体験をレコードとして有形の物体として持ち帰れるようになっており、再び聴くその場所や時間、共にいる人によって、また新しい一期一会の体験が生まれます。まさに、オーディオテクニカが目指す「単なる音響機器を超え、音楽が広げる世界」を具現化した至高のインスタレーションでした。
Hotaru – 新たなアナログ体験を追求したターンテーブル –
本イベントの主役であるターンテーブル「Hotaru」は、オーディオテクニカの長年にわたるアナログ技術へのこだわりと、挑戦的なデザイン思想が融合した製品です。
世界1,000台限定で発売される「Hotaru」の最大の特長は、浮遊するターンテーブルです。振動の影響を受けやすいターンテーブル部分を磁力によって宙に浮かせることで、外部からの影響による音のブレをなくし、より良質な音楽体験を提供します。
さらに、「Hotaru」には20色の色調と3つのモードを備えた照明システムも搭載されており、音楽に反応して光が変化。視覚と聴覚が交わる、多感覚的な体験を生み出します。
近年、ターンテーブルをインテリアとして楽しむニーズも生まれており、視覚的に楽しむ方も増えています。「Hotaru」は、視覚的な楽しみをターンテーブルだけでなく、レコードに収録された音楽にまで拡張し、音楽とインテリアが融合した空間を生み出します。これにより、音楽を聴く瞬間をより深く、空間全体で体感し、記憶に残る体験へと昇華させることができます。
そんな「Hotaru」と、茶室をイメージした数々のインスタレーションが融合した本イベントは、単に音楽を「聴く」だけでなく、音楽を「体験する」ことの新しい価値を提示していました。
今回のオーディオテクニカによるニューヨークでのイベント「Garden of temporal traces」は、同社が掲げる「analog~naturally」という哲学の最新の姿を、世界に向けて発信する素晴らしいイベントでした。
音楽と向き合う一瞬一瞬を大切にする「儚さの美学」が、最先端の技術と融合した「Hotaru」。このプロダクトの登場は、レコード文化に新しい風を吹き込むことになると、わたしもワクワクしております。
以上、ニューヨークから現地レポートをお届けしました。
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