WORKS

広告とPR(広報)の違いは分かる?コミュニケーションプランニングするなら、最低限知っておくべきこと。

WRITTEN BY

亀山一樹(パブリックリレーションズ事業本部 アカウントプランニング局)

■はじめに

SUNNY DAYSブログをご覧のみなさま、ご無沙汰しております。サニーサイドアップでプランナーをしている亀山と申します。

今回は「広告とPR(広報)の違い」についてお話しさせていただきます。

ただ、従来サニーサイドアップとしてはPR(パブリックリレーションズ)はこの記事の後半でも触れるようにマーケティングと同じレイヤーでの概念として捉えています。いわゆる広義のPRとしての意味合いですが、今回はPR初心者の方々に向けた狭義のPR(≒広報)について理解を深めていただくために記事を執筆しております。

少し前置きを挟みましたが、広告代理店とPR会社の双方を経験している身からすると、どちらが優れているかという結論ではありません。

広告もPR(≒広報)もあくまでマーケティング手法の1つであり、それぞれの特徴を把握してその時の課題を解決するのにどちらが適しているか、はたまた全体俯瞰して双方をどう上手く連携させていけるかをプランニングいただく際の参考になればと思います。

■広告とPR(広報)の基本的な比較

恐らくどのPR会社が運営しているメディアでも書かれているであろう基本的なところからおさらいです。

広告 >>>
・情報の発信者が企業となる
⇒企業(広告)色が強く見えてしまうこともある。

・メディアの広告枠を購入して発信する
⇒基本的には枠さえ購入できれば、ある程度企業側に発信するメッセージの裁量が委ねられる。

・クリエイティブドリブンで情報を表現できる
⇒過剰な表現は別として、基本的には広告審査に通る中で自由に表現できる。

・広告枠の購入に費用が掛かる
⇒その分、確実に情報発信できる。

PR(広報)>>>
・情報の発信者が第三者(メディアやインフルエンサーなど)となる
⇒広告を毛嫌いする人にスルーされない。

・メディアの通常のコンテンツの中で発信する
⇒メディアの特集や普段取り扱っているジャンルやテーマにそぐわなければ、取り扱ってもらえない。その情報を発信するか、どのように編集するかはメディアに委ねられる。

・ファクトドリブンで情報が組み立てられる
⇒メディアとして取り扱う情報に嘘偽りがあれば、取り扱うメディア自体の信頼に欠けることになるため、客観的にみて言えることか、裏付けはきちんとされているかなど気を付けなければいけない。

・メディアが自発的に情報を発信するため費用は発生しない
⇒ただし、PR会社を使えばその稼働費(企画費や人件費など)のフィーは発生する。

同じメディアを使った情報発信でも、アプローチが違えば伝わり方や与える印象も変わってきます。

■広告とPR(広報)の得意なこととは

広告は、確実なリーチと即効性がPRと比較して得意なところだと思います。細かくはそれぞれの媒体特性に違いがあり、例えばWeb・SNS広告はセグメントしたターゲティングができるのも強みです。

なぜこの強みをあげるかというと、PRではメディアとの関係値がないといけないことと、企業側が発信したい情報を今メディアが報道・取材する理由がなければ、露出獲得が難しいからです。

また、その時の社会情勢や世の中的な出来事が突発的に発生すれば、テレビの報道番組で予定されていた露出もなくなってしまうこともあり、そういった観点で広告はとても強いです。

一方で、PRの強みは情報の信ぴょう性にあります。先ほども記載したように、企業色の強い情報はそれだけでスルーされてしまいます。昨今生活者も広告かどうかを敏感に察知し、タイアップ記事であったり、「#PR」のつくSNS投稿を毛嫌いする人もいます。

ただPRであれば、まずはメディアがそれぞれで報道・掲載すべき情報だと判断すれば、それぞれのメディアのトンマナで発信してくれるため、その視聴者や読者からしたら信頼している情報源からの内容なので、スッと入ってきます。

■広告とPR(広報)を使い分けられるか

上記の内容を踏まえると、そもそも広告かPRかという二項対立ではないということや、お互いの強み弱みを補完し合うことも出来得るということがご理解いただけると思います。

PRは低予算で動けることや即効性がないこともあり、どうしても企業のマーケティング活動では後回しにされがちですが、企業が今回発信したい内容は報道価値の高いもの(メディアフックがあるもの、詳しくはこちらの記事でご説明しています)かを判断し、高い場合に「効果的なコミュニケーション手法としてPRファーストで設計する」といった戦略作りができるかが重要です。

そもそも、昨今の企画ではメディアフックのある企画であることが前提としてあるように感じますし、報道価値が高くない場合でもなんとかするのが、PR会社が介在する理由でもあります。また、報道価値が高いかどうかの判断が出来ない場合でも、その相談相手となります。

今回発信したい内容が、広告的アプローチとPR的アプローチでは、どのようにメッセージやストーリーを変えて表現すべきかが分かる人がチームにいますか?

広告ではストレートな表現で伝えたいことが伝わるようにし、PRではメディアやインフルエンサーが乗っかってきたくなるような表現をする。もしくはその両方を兼ね備えた表現となっている。

そのコミュニケーション設計に自信がないチームであれば、ぜひお気軽にサニーサイドアップにお問い合わせください。ページの右下の方にあるお問い合わせボタンからご連絡いただければ、担当からお返事をさせていただきます。

■最後にPR(広報)は経営機能の1つ…

昨年、PRに従事している界隈で話題になったことがあります。それは広報の定義の刷新で、広報とは経営機能の1つであると謳ったところで大きな話題を生みました。

【広報の定義】 

組織や個人が、目的達成や課題解決のために、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能である。

参照:https://www.jsccs.jp/concept/

そして、2024年に入ったところでまた話題になりました。それは、マーケティングの定義も刷新され、その内容がほとんど広報の定義と同じであるということです。

【マーケティングの定義】

(マーケティングとは)顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。

注 1)主体は企業のみならず、個人や非営利組織等がなり得る。
注 2)関係性の醸成には、新たな価値創造のプロセスも含まれている。
注 3)  構想にはイニシアティブがイメージされており、戦略・仕組み・活動を含んでいる。
参照:https://www.jma2-jp.org/home/news/916-marketing

確かに、それぞれの刷新された定義を見ていると似ていますね。今回はマーケティングの中でも、いわゆる4P分析でいうPromotionにあたるコミュニケーション手法の中で、混乱しやすい広告とPR(≒広報)の違いについて説明させていただきました。広告もPRもあくまで手段でしかなく目的にはなりえません。企業のマーケティング活動の中で、それぞれの特徴や違いを理解し、最適なコミュニケーション戦略を設計できることに役立つ記事となれば幸いです。

WRITTEN BY

亀山一樹(パブリックリレーションズ事業本部 アカウントプランニング局)

広告代理店出身、SSUには入社して丸5年が経過。30歳を過ぎ、痩せられないこととついつい深酒してしまうことが悩み。最近は「かわにしなつき」さんが推しです。彼女の素敵なパーソナリティと凛とした歌声が魅力です。このブログ記事を見ている時間があったら、曲を聞いてください。

※所属は執筆時と異なる場合があります

  1. HOME
  2. WORKS
  3. 広告とPR(広報)の違いは分かる?コミュニケーションプランニングするなら、最低限知っておくべきこと。