上智大学の国枝ゼミとサニーサイドアップの若手プランナーらがセッション。“もやもや”から考える“たのしいPR戦略”とは|講義レポート
こんにちは!経営企画・マーケティング室の清水です。
サニーサイドアップはこれまでのPR・コミュニケーションの実績やご縁もあり、ありがたいことに学校から出張講義のご相談をいただくことがあります。
本記事では、サニーサイドアップの若手プランナーが講師として2025年10月16日(木)及び30日(木)に登壇させていただいた、上智大学での講義の様子をお届けします。
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講義名:PRをたのしく企画する |
日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)の肩書を持つサニーサイドアップ 取締役の松本が、社外のPR関係者と関わるなかで、本講義の国枝准教授ともご縁があり、ゼミのゲスト講義という形で依頼をいただきました。
実は、昨年2024年の同時期にも同様のご依頼があり、大変ありがたいことに、その内容を評価いただいて再度お声がけいただきました。
今回はメイン講師として、サニーサイドアップの実力急上昇中の若手プランナー二之宮が登壇し、松本と人事の小幡、そして清水の4名で講義をしました。

受講する学生は2年生で、前期にPR・マーケティングの基礎を学んでおり、後期はより実践的・応用的な内容として、社会課題の解決に資する公共性の高いPR事例の紹介を希望されていました。
PR・コミュニケーションのプロとして、PR戦略を実践的に立案する内容や、現場ならではのリアルな話を、国枝准教授からも求められていました。
さらに、100分の講義を2週間挟んだ前後編の2回で実施するボリュームです。これはプロとして、サニーサイドアップらしい“たのしいさわぎ”のエッセンスを講義に散りばめるしかありません。そこで準備段階からプランナーの二之宮を中心に、2025年ならではの旬な事例解説や、体験性の高いワークショップの企画を考え、前半の講義日を迎えました。
▼サニーサイドアップ 若手プランナー二之宮の記事はこちら
サニーサイドアップ史上初!新卒1年目が最年少プランナーになるまで|アカウントプランニング局編
”PRをたのしく企画する” DAY1>>
PRのたのしい企画を知る
まずはサニーサイドアップの自己紹介から!PR・マーケティングの基礎を既に学んでいる学生さんだけあり、サニーサイドアップのことを知っている人もちらほら見られました。
会社の紹介をする中で反響が大きかったのは、当社グループの福利厚生「32の制度」のひとつ「失恋休暇」制度について松本が話した時でした。

大谷翔平選手や俳優の福山雅治さんが結婚された時に失恋休暇を取得したメンバーがいたことに、学生がざわざわしてくれており、緊張感のある場が徐々にほぐれていくような印象がありました。
ちなみにこの「失恋休暇」制度、失恋した時は仕事どころではないだろうという、メンバーのコンディションに想像力を働かせたPR発想から生まれた福利厚生なんです。もちろんちゃっかり、メディアにも露出してもらっていたりします。

講義の話者はZ世代プランナーの二之宮に代わり、講義のゴールを発表しました。
ゴールはずばり「PRの企画がたのしい」という気持ちになってもらうこと。サニーサイドアップが常にこだわる「たのしいさわぎをおこしたい」というスローガンは、この講義でも学生に届ける学びの軸となっていました。
講義はサニーサイドアップの最近の事例に移り、あのイチローさんがMLBで殿堂入りした企画「51 WITNESSES OF GREATNESS」や、今年を彩った「EXPO 2025 大阪・関西万博」で、実は関わっていた案件の紹介をしました。
サニーサイドアップの事例だけではなく、世の中の事例として「#令和の就活ヘアをもっと自由に(パンテーン)」や「座ってイイッスPROJECT(マイナビバイト)」の課題発見についても紹介。学生たちにとって身近で自分ゴトとしてイメージしやすい事例でもあり、“たのしいPR発想”の意味合いが徐々に伝わっている様子が伺えました。
二之宮から繰り返されたキーワードは“もやもや(違和感)”。PR発想で課題を見つけることは、生活する中で感じるちょっとした“もやもや”を言語化することであると語ってくれました。
“たのしいPR発想”はインプットだけではなくアウトプットも重要ということで、講義はいよいよ学生たちの能動的な学びを促すグループワークへ。
グループワーク:「新しい記念日をつくる 」
DAY1の後半からは、グループワーク形式でプロさながらのPR企画にチャレンジ。
お題は「新しい記念日をつくる」!こちらを聞いた際の学生たちは、さまざまな想像や不安が入り混じったような様子でした。

進め方としては、1グループ4〜5人に分かれて、
・立場(記念日の設立者)
・記念日のタイトル
・解決したい課題(もやもや)
・記念日のコンセプト
・広めるためのアクション
・世の中へのインパクト
の6つの内容について考え、ワークシートに記入し、プレゼンテーションするという流れです。

ワークシートのイメージ
なお、ワークシート提出までの制限時間は約2週間後の講義DAY2前に、国枝准教授が回収するまで。
一方でこのグループワークの評価は、
・課題の設定/40点
・戦略アイデア(記念日タイトル+コンセプト)/20点
・具体的な実施内容(広めるアクションの具体性)/20点
・プレゼン力/20点
の4つの観点で行うことも予め伝えておき、課題の設定が“たのしいPR”においていかに重要かをここでも強調しています。
グループワークが始まると、学生たちは認識のすり合わせや企画内容について議論を始めました。
議論に耳を傾けてみると、
「記念日は社会的意義から考えよう!」
「今ある記念日をまずリサーチしよう!」
「電車に座れないもやもやってあるかな?」
などの各グループの自由度やスタイルについても試される内容が飛び交っていました。


サニーサイドアップの二之宮らも、考え込んでいるグループを見つけると「何で悩んでいるの?」と手を差し伸べ、学生たちの議論を適度な距離感でサポートしていました。あっという間にDAY1終了のチャイムが鳴り、次は2週間後の各グループからのプレゼンテーションへ。
”PRをたのしく企画する” DAY2:PRの企画がたのしい気持ちになる
2週間が過ぎて、再度同じ場所に集まった国枝ゼミの方々とサニーサイドアップの講師陣。
改めて簡単に、プランナーの二之宮から講義のゴールやグループワークの流れをおさらいし、全5グループのプレゼンテーションが始まりました。

上生菓子により上下関係を「和」ませる発想の“和菓子で優しい逆転デー”

1人でも楽しい、でも、みんなといるともっと楽しい“NO 1 DAY(ノーワンデー)”
どのグループも、2週間の生みの苦しみが垣間見られる気持ちのこもったプレゼンテーションでした。
もちろん評価をする講師と国枝准教授も必死です。ワークシートと学生らのプレゼンテーション以上に聞きたいことを質問しながら、できるだけ正確に各グループのPR企画を評価しました。
今回はプランナーの二之宮が競合コンペに臨むように、各グループもプロのように評価されて1位を決めたのですが、結果は国枝ゼミだけの秘密です。ただ言えることは、最後の約15分が学生からの質問などで時間いっぱいになり、“PRの企画がたのしい”というゴールには近づけたように感じられました。
講義を終えて:プランナー二之宮に「学生がいちばんたのしく企画していた瞬間」聞いてみました

学生がいちばん楽しそうだったのは、「もやもや」を“言語化”できた瞬間だと思います。
漠然と感じていた違和感が企画の“種”に変わるとき、みんなの表情が明るくなったように思います。PRの楽しさはそこにあると、改めて感じることができました。
講義を終えて:国枝准教授に「本ゼミによる印象に残った学生の変化」についてコメントをもらいました

学生は「もやもや」を企画にして表現する面白さと難しさを実感できたようです。フィードバックを通じ、リサーチや論理構成だけでなく、自らの企画に対する人々の反応を想像すること、伝える工夫をすることの大切さに気づく、貴重な機会になりました。

講義を終えて:執筆者 兼 講師の清水の感じた“PRのたのしい企画”
学生たちが自分以外の他者に、「新しい記念日をつくる」企画を伝えようとする姿勢に“たのしさ”を感じました。
PRにはいつも他者がいて、他者の集合体である社会へ適切に伝える難しさを、ある意味たのしむ仕事だと思います。これからも他者を動かすための対話や表現にこだわることを、たのしんでほしいですね!
それではまた次のレポートでお会いしましょう🍳✨



